セッション情報 |
ワークショップ8.
B型慢性肝疾患の治療戦略
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タイトル |
W8-04 B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤による治療成績と現在の問題点
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演者 |
桑原礼一郎(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 |
井出達也(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
抄録 |
【目的】アデポビル(ADV)とエンテカビル(ETV)の登場によってB型慢性肝疾患の治療は新たな局面を迎えた.当科及び当科関連施設におけるLMV+ADV併用療法ETV治療の成績を検討し現状の核酸アナログ製剤の問題点を明らかにする.【方法】当科及び関連施設にてLMV耐性獲得後にLMV+ADV併用を行った148例ETVを投与した56例を対象とした.【結果】1)LMV+ADV併用を行った148例ではADV併用開始時の平均年齢は52才ADV併用開始後の平均観察期間は828日であった.うち37例が核酸アナログ製剤の開始心ないし開始後にHCC治療歴を有していた.ADV追加時の各検査項目の平均値は血小板tw 12.7万/叫Lアルブミン3.67g/dLALT 127.11U/しであった. HBV-DNA陰性化(<2.610g copy/mL)はADV開始より361224ヶ月後にはそれぞれ29.545.159.874%であった.LMV+ADV併用療法中に12例の死亡を経験したが死因は2例が肝不全10例がHCCの進行であった2)ETVを投与した56例では3ヶ月以上経過観察可能例は40例であった.過去に核酸アナログ製剤での治療歴のない14例では12例(85.7%)でHBV-DNAは陰性化しt ALTも12例(85.7%)で正常化した.切り替えの26例では切り替え時にHBV-DNAが測定感度未満であった18例全例が切り替え後も測定感度未満を持続している.【結論】LMV耐性に対するADV追加投与は良好な成績を得ている核酸アナログ製剤未投与例に対するETV投与は耐性獲得の頻度も少なくLMV同等以上の良好な治療成績を得ている.ガイドラインに沿ったLMVからETVへの変更は概ね良好な短期成績を得ているが潜在的にLMV耐性株が存在する症例もあるため長期成績を含めた更なる検討が必要と考えられる. |
索引用語 |
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