セッション情報 |
ワークショップ8.
B型慢性肝疾患の治療戦略
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タイトル |
W8-05 HBe抗原陽性肝炎に対する抗ウイルス療法
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演者 |
髭修平(北海道大学消化器内科学) |
共同演者 |
中馬誠(北海道大学消化器内科学), 浅香正博(北海道大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的】HBe抗原陽性慢性肝炎における治療目標のひとつであるe抗原/e抗体seroconversion(SC)率に関与する要因を検討しe抗原陽性肝炎治療における薬剤選択・タイミングなどの治療戦略を確立する.【方法】対象は抗ウイルス療法を施行したe抗原陽性肝炎121例で男79例女42例.平均年齢は37.7歳(18~70歳)治療開始時平均ALTは2331U/1(18~14411U/1)平均HBV-DNA量は7.5LC/m1(4.3~9.3LC/ml)であった.抗ウイルス治療はIFN一βと核酸アナログ[NA:ラミブジン(LAM)あるいはエンテカビル(ETV)]から選択しIFN一βの24週間単独投与[IFN群コ39例IFN一β/24週間とNA/16週間の同時開始併用[併用群]32例核酸アナログ製剤の単独投与(SC維持確認まで継続)[NA群]50例であった.選択薬剤治療開始時の年齢性別HBV-DNA量ALT値PC/CP(precore/core promoter)変異パターンと治療開始後12か月以内の「累積SC達成率」(以下t達成率)の関連を評価する.【成績】全体の達成率は開始6か月までに37/121(30.6%)12か月までに47/117(40.2%)であった.治療紅皿には12か月までにIFN群20/42(47.6%)併用群12/29(413%)NA群15/46(32.6%)であった.背景因子では40歳未満/以上の達成率は45.7%/31.8%開始時ALT値100未満/以上では27.5%/49.3%PC/CP領域変異パターン(両者野生型/片方が野生型/両者変異型)では25.0%/46.2%/53.3%であった.達成率が高い要因は40歳未満ALT高値PC/CPの変異であった. PC/CP両者野生型でも若年かつALT高値(50%)あるいはIFN単独あるいは併用(30%)では効果が期待できるが高齢(0%)ALT低値(167%)NA群(0%)などでSC達成は低率であった.【結論】e抗原陽性慢性肝炎例では年齢PC/CP変異の評価後ALTの変動変動を観察し治療のタイミングを図る好条件の場合は核酸アナログ製剤を第一選択としそれ以外の場合にはIFN製剤の単独あるいは併用を考慮する |
索引用語 |
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