抄録 |
【目的1B型慢性肝炎治療としてエンテカビル(ETV)は高い治療効果に加えて耐性率の低さから初回投与例に対するfirst lineとして期待されている今回3年以上ETV治療継続例における治療効果及び耐性株の出現パターンを検討した.【方法】全国他施設共同研究により3年以上ETV投与が継続されたB型慢性肝炎患者45例(ETV初回投与(naive)22例ラミブジン不応例(LVDr)からのスイッチ23例)を対象とした.耐性株の検出は最近開発されたINNO-LiPA HBV DR ver3を用いて経時的に解析しダイレクトシークエンス法と比較検討した.【成績】ETV投与後3年での治療成績をnaive例とLVDr例で比較したDNA陰性化率=76%:35%HBe抗原陰性化率=50%:6%ALT正常化率=86%:52%とLVDr例において有意に低い有効率であった.耐性株出現率:naive例では3年間で1例もETVrを認めなかったがLVDr例ではbaseline1年2年3年間累積でそれぞれ2例(8.7%)5例(217%)8例(348%)10例(43.5%)にETVrを認めた. INNO-LiPA HBVDR ver3はダイレクトシークエンスより最大48週早期にETVr検出が可能であり10例中8例にS202G変異5例に184変異が見られた.その後肝炎(BTH)を発症した6例中5例はM180V204変異に加えてS202G変異が関与していたBTHに寄与する因子を多変量解析で検討してみると正年でHBV DNA 210g減少がみられない(OR=10.6)baselineでLVDr(6.6)M180(7.2>V204(12.6)経過中にETVr(242)特にS202G変異出現(20.4)が有意な因子であった【結論】初回投与例に対するETVの治療効果は良好であった. LVDr(M180+V204)例に対するETV投与は高率にETVrが出現するためETVへのスイッチよりadefovirの追加が望まれる. |