セッション情報 |
ワークショップ8.
B型慢性肝疾患の治療戦略
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タイトル |
W8-08 ALT正常B型肝炎に対する治療適応の検討
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演者 |
渥美裕之(大垣市民病院消化器科) |
共同演者 |
熊田卓(大垣市民病院消化器科), 豊田秀徳(大垣市民病院消化器科) |
抄録 |
【目的】B型肝炎の治療は副作用の少ない強力な抗ウイルス効果を有する核酸アナログの出現により大きな変貌を遂げた。従来ALT正常B型肝炎は経過観察のみであったが中には肝発癌に至る症例も経験するt今回われわれはALT正常B型肝炎の長期予後から治療介入の適応について検討した.【対象および方法】対象は当院においてB型肝炎と診断し経過観察が3年以上肝発癌が経過観察開始から3年以降血液生化学検査を年2回以上計6回以上測定ALTの積分平均値が401U/L以下インターフェロンもしくは核酸アナログを使用しなかった381例である年齢性BMIウイルス量genotype血液生化学的検査から肝発癌に関与する因子をCoxの比例ハザードモデルを用いて検討したt観察期問中央値は8.9年夏3.O-15.0年)であった.【成績】1)経過観察中に17例4.5%に肝発癌を認めた.累積発癌率は5年0.8%10年6.5%15年109%であったt発癌に関与する因子は性(女性に対して男性のハザード比6.598[95%信頼区間1.493-29.151]以下同)HBVDNA量(5.O logcopies/ml以下に対して超えるが3.375[1.230-9.256])血小板(15万/mm3以上に対して未満が4.831[1.684-13860])総コレステロール値(130mg/dL以上に対して未満が6.334[1.636-24.524])であった.2)HBVDNA量と血小板から発癌率を検討した.HBVDNA量5.0 log copies/mL以下で血小板15万/mm3以上の群の発癌率を1とするとHBVDNA量5.O log copies/mLを超え血小板15万/mm3以上の群は8.434倍(1.544-46.064)HBVDNA量5.O logcopies/mL以下で血ノ1・板15万/㎜3繍の群は14695倍(2.838-76.102)HBVDNA量5.O log copies/mLを超え血小板15万/mm3未満の群は26.007倍(5.217-129.M8)の発癌率であった【結論】ALT正常のB型肝炎の治療適応はHBVDNA量と血小板を考慮して決定する必要がありALTが正常であっても高ウイルス量血小板値低下例では治療介入が必要と考えられた. |
索引用語 |
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