セッション情報 ワークショップ9.

膵癌の補助療法

タイトル

W9-01 膵癌切除例に対する塩酸ゲムシタビン補助療法の意義

演者 伊藤豊(国立災害医療センター消化器乳腺外科)
共同演者 朽名直子(国立災害医療センター消化器乳腺外科), 石橋雄次(国立災害医療センター消化器乳腺外科)
抄録 【目的】2001年以来膵癌100判例に治療に対し塩酸ゲムシタビンを導入してきた.今回膵癌切除症例に対する補助化学療法の意義について検討した.【対象】2001年5月以降の塩酸ゲムシタビン投与患者は102名.そのうち30名の切除症例に補助化学療法目的で塩酸ゲムシタビンが投与された.投与法はCarmichael JPonera CFらの投与法に準じて800mg/m2を30分で投与週1投与で3投2休を1クールとした.当院の外来通院治療センターにおいて原則6クールとし患者の同意が得られ再発所見の認められるまで継続投与とした.3~4クール経過毎に腹部CTの評価を行い再発を認めない場合続行とした.今回の補助療法施行例と2001年以前の切除症例をhistorical controldateとして比較検討した.【成績】切除後6週から10週目より投与が開始された.有害事象による投与中止症例は発生しなかった.血液毒性はgrade 2に留まり非血液毒性はgrade 2の消化器症状を認めた.2名は2クールで継続拒否の表明にて終了.6名が再発のため3クール以内で投与を終了した.6クール以上の完遂率は73%であった.術後補助療法群のMSTは27.3か月非投与群は14.3か月で投与により生存期間の延長を認めた.3生率では補助療法群31.9%で非投与群の17.9%に比較し改善していた.【結論】塩酸ゲムシタビンの補助療法は膵癌切除例の生存期間の延長に寄与できると期待できる.至適な投与期間投与量についてはさらなる検討を要すると考えられた.
索引用語