セッション情報 |
ワークショップ9.
膵癌の補助療法
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タイトル |
W9-03 進行膵癌補助療法;5-FU系とGEMの個別化に向けて
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演者 |
竹田伸(名古屋大学消化器外科学) |
共同演者 |
中尾昭公(名古屋大学消化器外科学), 野本周嗣(名古屋大学消化器外科学) |
抄録 |
膵癌の治療は手術のみでは限界があり何らかの補助療法を行わなければ治療成績の向上はない.当科では切除後に術中照射30Gy1994年以後は5-FU門注療法(LPC)を術直後より3週間行っており2001年以後はGEM中心に切除後の補助化学療法を行ってきた抗癌剤の作用機序から5-FUはTSDPDOPRTが感受性・抵抗性遺伝子の候補でありGEMはRRM1RRM2dCKeNTなどが感受性・抵抗性遺伝子と報告されている、これらの遺伝子を検証して個別化医療を樹立することを目標とする.【対象】stageHI以上の症例で膵癌組織を抗TSDPDOPRT抗体で免疫染色しその発現(計83例)をGEM系遺伝子群はmRNAでそれらの発現(計31例)を調べそれぞれ生存率について検討した.【結果】stageIII以上の当科の治療成績では.手術のみ5-FU門注gemの1年生存はそれぞれ43%68%57%2年生存は13%30%28%であった.1.陽性率はTS 63%DPD49%OPRT 54%であった. LPCを行った症例はTS(+)あるいはDPD(一)で50%生存は16-17ヶ月と生存率の延長を認めた. OPRTは有意差を認めなかった.2. RRM2の発現のみ癌部〉群肝部で他の遺伝子は骨癌部〉癌部の発現様式であった.GEMを少なくとも3ヶ月以上投与した症例で予後を比較したがいずれの遺伝子発現と相関関係は認められなかった.【結語】膵癌の標準治療の確立は重要であるが治療をする前に効果予測できればその抗癌剤を選択することで無駄が無く治療成績を上げることができる.現状では5-FU系の感受性・抵抗性遺伝子のみ明らかであるが今後は症例を積み重ねGEMの感受性・抵抗性遺伝子を明らかにする必要がある. |
索引用語 |
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