抄録 |
【目的】膵癌切除後の補助療法としては化学療法あるいは化学放射線療法の有効性が報告されている.そこで教室における膵癌切除後の補助療法をretrospectiveに解析しその有効性について検討した.【方法】2001-2005年の肝転移腹膜播腫のない浸潤性膵管癌に対する切除例138例を対象とした.膵頭部癌104例膵体尾部癌34例で術後補助療法施行例は100例(72%)化学療法82例(FT 7例(平均投与期間37週)5-FU+LV 4例(24週)Gemcitabine 44例(23週)TS-127例(48週目)活性化リンパ球や樹状細胞を用いた免疫療法18例で切除単独は38例であった.各々の2年生存生存期間中央値(MST)無再発期間中央値(DFS)について検討した.【結果】対象例全体のMSTは27.0ヵ月2年生存率51%(3年生存率42%)であった.各々の2年生存MSTDFSは化学療法で59%31つヵ月14.9ヵ月免疫療法で45%20.6ヵ月16.1ヵ月切除単独で32%21.0ヵ月105ヵ月で化学療法は切除単独より2年生存MSTが有意に良好であった.化学療法の中では有意な差は認めず2年生存はFT 57%5-FU+LV 50%Gemcitabine 40%TS-151%であった.【結語】膵癌術後の補助化学療法は生存期間の延長に寄与していたが抗がん薬の種類による差は認められなかった、 |