セッション情報 ワークショップ9.

膵癌の補助療法

タイトル

W9-06 再発形式からみた膵臓癌切除例における交替療法(術中照射・gemcitabine・体外照射)導入の検討

演者 板倉淳(山梨大学医学部第1外科)
共同演者 藤井秀樹(山梨大学医学部第1外科)
抄録 目的:これまでに術中照射・gemcitabine(Gem)併用術後体外照射による集学的治療(RTG)の効果について報告してきた.今回はその再発形式の解析から放射線化学交替療法の可能性について検討した.対象・方法:1986年10月より2007年8月までに切除術を施行した通常型膵管癌136例を対象に放射線化学療法施行群(RTG群)と非治療群(Non群)に分け再発形式再発時期を検討した. RTG群の照射野は跡切離断端腹腔動脈SMA神経層を含む範囲で術中照射(10R)は20-25Gy対外照射(EBRT)は術後可及的早期に2Gy/回で30-50Gyの照射を行った.GemはEBRT施行中に200-600mg/m2/w投与外来維持療法としてGemlOOOmglm2/biweeklyを施行した結果:RTG群は51例Non群は85例であったRTG群Non群の平均年齢は67.5歳と64.8歳男女比は30/2157/28膵頭部/体尾部31/2067/28であった進行度はそれぞれstageIHHIが19例と25例IVaが16例と25例IVbが16例と35例であった. RTG群とNon群のMSTと135生率はそれぞれ216ヶ月と10.4ヶ月69.1S6.O30.9%と4621&510.9%とRTG群で有意に生存期間の延長が認められた. RTG群Non群それぞれのRO-1R2のうちわけは41/10と57/28でRO-1症例のうち再発形式が確認された症例はRTG群Non群それぞれ18例と32例でこのうち遠隔転移例と局所再発例はRTG群で15例(88.2%)と3例(16.7%)Non群で19例(57.6%)と14例(42.4%)でRTG群では肝転移を中心とした遠隔転移が多くその発症時期も12/15例で6ヶ月以内でありt手術時すでに微小転移が形成されていた可能性が示唆された考察:以上の結果から術後早期の局所制御を目的としたEBRTでは微小遠隔転移に対して負に働く可能性が考えられた.したがって手術・10R後は早期に全身化学療法を3-6ヶ月行い遠隔転移が認められなかった症例に対してEBRTを行う交替療法がより効率的な放射線化学療法と考えられた.
索引用語