セッション情報 ワークショップ9.

膵癌の補助療法

タイトル

W9-07 膵癌に対する術前・術後補助療法

演者 武田裕(大阪大学消化器外科学)
共同演者 中森正二(国病機構大阪医療センター外科), 門田守人(大阪大学消化器外科学)
抄録 膵癌に対する標準治療は外科的切除放射線治療化学療法であるが唯一治癒が見込まれる外科的切除でも根治は難しく集学的治療が必要である.当施設では外科的切除に放射線治療化学療法を組み合わせた治療体系を作っており結果を報告する。対象と方法=StageIIIHIは根治切除術を施行(D2+16a216bl+αPL cesma半周)し術後にGEM(Gemcitabine)1000mg/m23週投与1週休薬を6コース施行しているStageIVaは門脈浸潤症例を切除可能膵癌として術前補助放射線化学療法を施行した後根治切除術を施行している動脈浸潤症例は局所進行切除不能と判断し放射線化学療法を施行しているStageIVbはPSが良好で骨髄機能面が保たれていればGEMとTS-1の併用化学療法を施行している.結果:StagelVa切除可能膵癌に対するGEMと加速多分割照射による術前補助放射線化学療法の臨床第1/ll相試験を行い第1相試験にてレベル4(GEM:800mg/m2 i9 18日+36Gy=L5Gy x 2/日x12日間)を推奨用量とした.StagelVab症例の1年生存率85.1%3年生存率51.1%と良好であった.StageIVa局所進行切除不能膵癌に対するGEMと加速多分割照射法による同時放射線化学療法の臨床第1/H相試験を行いtレベル3(GEM:800mg/m2第1815日+45Gy:15Gy×2/日×15日間)を推奨用量した1年生存率は38.3%2年生存率はIL4%と良好であった.2例で動脈浸潤が消失し根治切除を施行し得た.StagelVb膵癌におけるGEMとTS-1併用化学療法では当科でのMiaPaCa細胞株のヌードマウスへのXenograft移植実験での結果からTS-1(80mg/m2day1-58-12/21days)とGEM(1000mg/m2day613/21days)のプロトコールとした.7例中2例でPRを3例でSDを得た.現在多施設共同研究を開始し症例集積中である結語:膵癌に対する化学療法の進歩により外科的切除に化学療法放射線治療を組み合わせた集学的治療が可能となってきた今後の膵癌治療成績の向上が期待される.
索引用語