セッション情報 |
ワークショップ10.
自己免疫性肝胆膵疾患の胆管病変をめぐって
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タイトル |
W10-01 若年発症および中高年発症の原発性硬化性胆管炎の比較検討
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演者 |
平野賢二(東京大学消化器内科) |
共同演者 |
多田稔(東京大学消化器内科), 小俣政男(東京大学消化器内科) |
抄録 |
【背景と目的】原発性硬化性胆管炎(PSC)の発症年齢には20歳台と60歳台の二つのピークがある.しかしながらi若年PSCと高齢PSCにどのような違いがあるかはあまり知られていない.本研究では両者の臨床的差異を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】当院でPSCと診断された28人目男13人女15人発症年齢12-79歳)を対象とした.発症年齢40歳未満を若年群(11例)40歳以上を中高年群(17例)とし両群において合併疾患(潰瘍性大腸炎(UC)胆石慢性膵炎など)血液検査所見(lgGIgAIgMIgG4IgEなど)画像所見(胆管狭窄部位など)予後の比較検討を行った.予後に関しては薬物療法のみではビリルビンが5未満に回復しない状態或いは胆道感染制御のため持続ドレナージを必要とする状態を重症と定義し重症化の頻度を調べた.【結果】UC合併頻度は若年群で多い傾向にあった(6/11vs2/17P=O.076).血検査所見ではIgMが若年群で有意に高く(245 vs121P=0.017)またIgE高値例(>3001U/ml)は若年群で少ない傾向にあった(0/4vs 6/10P=0.085).好酸球増加(>500pt)も若年群で少なかったが有意差は認められなかった(1/11vs 6/17P=O.191).画像所見に有意差のある項目は認めなかったが下部胆管狭窄は若年群で多い傾向が見られた(7/11vs 5/17P=0121).重症化の頻度は若年群で有意に多く認められた(8/11vs 4/17P=0.019).【結論】若年群ではUC合併が多く胆管罹患部位が後者より広い傾向にあり予後も悪い.但し経過観察期間が異なるためさらに経過を追った上で評価する必要がある.若年群ではIgM高値中高年群ではIgE高値例が多くPSCの成因は単一ではない可能性があると考えられる. |
索引用語 |
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