セッション情報 ワークショップ10.

自己免疫性肝胆膵疾患の胆管病変をめぐって

タイトル

W10-04追加 自己免疫性膵炎合併およびIgG4関連硬化性胆管炎の臨床像

演者 土屋貴愛(手稲渓仁会病院消化器病センター)
共同演者 真口宏介(手稲渓仁会病院消化器病センター), 高橋邦幸(手稲渓仁会病院消化器病センター)
抄録 【目的】近年自己免疫性膵炎(AIP)に合併するあるいはIgG4関連の硬化性胆管炎を診断する機会が増加えているまた治療としてステロイドが著効するが経過中に再発する例も散見される.今回AIPに合併およびlgG4関連の硬化性胆管炎例をretrospectiveに検討し経過再発部位など臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】2007年10月までに当センターで診断した硬化性胆管炎を合併するAIP論義22例(全AIP 31例〔血判26白面5〕中)と膵に所見を有さないIgG4高値の硬化性胆管炎2例の計24例(平均年齢63.4歳〔24-84〕男性22女性2)を対象とした検討項目は1)初発胆管病変部位2)治療法3)再発時の胆管病変部位治療との関連再発までの期間とした.【結果】1)初発胆管病変として胆管狭窄を認めたのは下部胆管16例(67%)下部+肝門部・上部5例(21%)下部+中部1例(4%)肝門口1例(4%)全体1例(4%)であった.2)ステロイド治療を23例(96%)に施行し投与中が1例維持療法中16例短期間投与(平均3.6ヶ月)後中止5例2年投与後中止2例であり全例で胆管狭窄像は改善した.ステロイド未使用の1例はウルソデオキシコール酸内服中で胆管形態には著変を認めていない.胆管ステント留置を16例(67%)に行い平均留置期間は2.4ヶ月(1-4.5)であった.3)4例(17%)が再発し部位は肝門部・上部胆管が3例下部が1例であった.再発までの期間は初発から平均11.6ヶ月(4-29)であった.全例ステロイド治療例であり維持療法中が1例(1/16)短期投与後中止が3例(3/5)であった.【結論】AIPやIgG4関連の硬化性胆管炎の初発部位は下部胆管が最も多く次いで肝門部・上部だが再発時は肝門部に多くみられた.再発はステロイド短期投与後中止例に多く維持療法が再発予防に重要である可能性がある.
索引用語