セッション情報 ワークショップ10.

自己免疫性肝胆膵疾患の胆管病変をめぐって

タイトル

W10-06追加 自己免疫性胆膵疾患における胆管病変の超音波像

演者 小山里香子(虎の門病院消化器科)
共同演者 今村綱男(虎の門病院消化器科), 竹内和男(虎の門病院消化器科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)ではしばしば原発性硬化性胆管炎に類似した胆管病変が合併する、これらはERCPでは胆管三門像として描出されるが腹部超音波(US>では胆管壁肥厚として描出される.今回我々は自験AIP40例を対象にAIPに合併する胆管壁病変のUS像の特徴および臨床像の検討結果について報告する.【方法1対象は1986年~2007年目でに当院で経験したAIP40症例。胆管病変の有無画像・検査所見PSL反応性についてretrospectiveに検討した.【成績】発症時の平均年齢は63.1歳(43~84歳)男性32例女性8例膵病変部位は膵全体16例頭部限局8例体尾部限局10例skip lesion(多発病変)6例であった.胆管病変としてUS上肝内外胆管壁および胆嚢壁の肥厚を35%(14/40例)に認めた.このうち肝内胆管壁肥厚は50%(7/14例)胆嚢壁肥厚は64.3%(9/14例)に認められいずれも全て二二胆管壁肥厚も伴っていた.望外胆管壁肥厚のUS像は(1)高・低・高エコーの3層構造の壁肥厚を呈するものと(2)胆管そのものが低エコー実質様に描出され中心に内腔を示唆する線状高エコーを呈するものの2者に大別できたt症例の中にはPSL治療によりUS像が(2)から(1)を経て胆管壁肥厚が消失した症例があり(1)(2)は単に壁肥厚の程度の差で病勢を示している可能性があると考える.胆管病変としての胆管壁肥厚は膵病変としての膵腫大に比べるとPSL反応性が悪く改善に多くの時間を要する傾向がありまたPSLを減量していく過程で胆管病変を合併したAIPは再燃をきたす症例が多い傾向にあった.【結論】自験AIPの35%に胆管病変を認めUSでは壁肥厚像として描出され2者に大別できた. ERC像では膵腫大に伴う締め付け型の胆管狭窄か胆管病変としての胆管壁肥厚に伴う胆管狭窄か鑑別が困難であるしかしUSでは壁肥厚そのものの描出が可能であり胆管病変の有無を確実に評価できる.IDUSも同様の利点があるが体外式USは非侵襲的で治療後の効果判定を頻回に施行でき経時的に評価できる点で優れている.
索引用語