セッション情報 |
ワークショップ10.
自己免疫性肝胆膵疾患の胆管病変をめぐって
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タイトル |
W10-07 原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎に伴う硬化性胆管炎の血清学的鑑別並びにIgG4関連硬化性胆管炎の臨床病理学的検討
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演者 |
浜野英明(信州大学消化器内科) |
共同演者 |
新倉則和(信州大学消化器内科), 川茂幸(信州大学健康安全センター) |
抄録 |
【目的】典型的な原発性硬化性胆管炎(Primary scierosing cholangitis:PSC)と自己免疫性膵炎(Autoimmune pancreatitis:AIP)に伴う硬化性胆管炎(SC-AIP)の鑑別に血清IgGサブクラス免疫複合体値が有用か否かを検討した.また典型的なAIPの膵病変を有さないIgG4関連硬化性胆管炎について臨床病理学的に検討した.【方法1(1)PSC 12例(男7例)とSC-AIP 52例(男42例)を対象に血清IgGサブクラス値とモノクローナルリウマチ因子法(mRF法)による免疫複合体値を比較検討した(2)典型的なAIPの膵病変を有さないIgG4関連硬化性胆管炎8例(男6例)の臨床病理像を検討した【結果】(1)初発年齢の中央値はPSCとSC-AIPでそれぞれ40.5歳65歳であり有意にSC-AIPの初発年齢が高かった(p<0.0001).(2)血清IgG4免疫複合体の中央値はPSCとSC-AIPでそれぞtl. 30.5mg/dl727.5mg/d1と4.7pg/ml8.6pg/mlでありSC-AIPで有意に高値であった(lgG4P<O.OOO1;免疫複合体P=O.0025).(3)典型的なAIPの膵病変を有さないIgG4関連硬化性胆管炎は発症年齢の中央値が56.5歳でSC-AIPより若い傾向にあった8例中3例(37.5%)では肝凸部胆管癌疑いにて手術された血清IgG4と免疫複合体の中央値はそれぞれ489、5mg/dl6.7pg/mlでともにSC-AIPより低値の傾向を示しIgG4免疫複合体の正常例はそれぞれ1例3例に認めた.画像的には肝門部胆管癌に類似することがあり病理学的には多数のIgG4陽性形質細胞の浸潤を認めSC一・APの病理像を呈していた.既往歴ではIgG4関連全身性疾患との関連を示唆する胆嚢炎2例糖尿病2例気管支喘息2例眼窩偽腫瘍1例を認めた.【結論】原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎に伴う硬化性胆管炎の鑑別に血清IgG4値と免疫複合体値が有用であった.典型的なAIPの膵病変を有さないIgG4関連硬化性胆管炎は肝門部胆管癌との鑑別に留意すべき病態と考えられた. |
索引用語 |
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