セッション情報 |
ワークショップ10.
自己免疫性肝胆膵疾患の胆管病変をめぐって
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タイトル |
W10-11 硬化性胆管病変形成におけるTRAIL系免疫機構の役割:TRAILおよびDR5遺伝子欠損マウスを用いた検討
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演者 |
池嶋健一(順天堂大学消化器内科) |
共同演者 |
竹田和由(順天堂大学免疫学), 渡辺純夫(順天堂大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】原発性硬化性胆管炎(PSC)の成因には免疫異常の関与が示唆されているが未だ不明の点が多い.私たちはTNFファミリー分子の一つであるTRAILの受容体DR5に対するアゴニスト抗体をC57B1/6系マウスに投与するとPSCに極試した硬化性胆管病変が惹起されることを見出し報告してきた.そこで今回はTRAIL/TRAH受容体系分子の遺伝子欠損(KO)マウスを用いて胆管結紮による胆汁うっ心性肝病変を中心に検討を加えた【方法】TRA皿i一/一DR5一/一(KO)およびC57Bl/6野生型(WT)マウスの総胆管を二重:結紮し経時的に生存率および肝病変の進展過程を観察した.、またBALB/c系マウスに胆管結紮を施行し肝組織中のDR5発現を免疫染色で確認するとともに抗DR5アゴニスト抗体(MD5-1300μg/mice)を腹腔内投与し胆管病変の形成を観察した.【結果】総胆管結紮後WTマウスは平均7-10日で死亡するのに対しTRAIL 一/一とDR5一/一ではともに平均15-16日と生存期間の延長が認められた.黄疸発現や血中の胆道系酵素上昇はWTと比較してTRAIL一/一およびDR5一/一では明らかに遅延しており組織像では胆管結紮後に生じる肝内および一三胆管周囲の炎症や線維化がこれらのKOマウスでは軽微であった.一方C57B1/6とBALB/cマウスに抗DR5アゴニスト抗体を反復投与するとC57B1/6のみが発枕し胆管上皮細胞のアポトーシス誘導を伴う硬化性胆管病変が観察されるがBALB/cを胆管結紮した際には胆管上皮にDR5の発現増強を認め結紮3日後に同抗体を投与するとBALB/cにおいても硬化性胆管病変が形成された.【結論1胆管上皮細胞におけるTRAIL/TRAIL受容体系分子の発現が胆汁うっ滞に伴う胆管病変の進展感受性を規定しておりこれらの分子が胆管上皮細胞のアポトーシス誘導を介して硬化性胆管病変および胆管消失症候群の病態形成に深く関与している可能性が示唆された |
索引用語 |
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