セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

004 嚥下障害非心臓性胸痛患者における食道内圧測定の有用性

演者 山下博司(大阪府済生会中津病院消化器内科)
共同演者 大塚真美(大阪府済生会中津病院消化器内科), 福知工(大阪府済生会中津病院消化器内科), 江口孝明(大阪府済生会中津病院消化器内科), 川村梨那子(大阪府済生会中津病院消化器内科), 大橋里奈(大阪府済生会中津病院消化器内科), 可児弘行(大阪府済生会中津病院消化器内科), 高橋元(大阪府済生会中津病院消化器内科), 伊藤大(大阪府済生会中津病院消化器内科), 永松良介(大阪府済生会中津病院消化器内科), 蘆田潔(大阪府済生会中津病院消化器内科)
抄録 【目的】嚥下障害や非心臓性胸痛(non-cardiac chest pain:NCCP)は日常診療において比較的よく遭遇する症状であるが内視鏡や各種画像機器を駆使しても器質的異常がなく診断に苦慮することが多い.食道運動疾患は嚥下障害やNCCPの原因となりうるにもかかわらず一般臨床の場においては広く認知されているとは言い難い.今回我々は嚥下障害NCCP患者の病態を検討するため食道内圧測定を中心に行った【方法】2006年6月から2007年9月までに嚥下障害またはNCCPを主訴として受診し呼吸器系循環器系疾患がなく上部内視鏡検査で器質的疾患を認めなかった56例(男性26例:女性30例平均年齢42.5歳)を対象とした.食道内圧測定はsolid-state transducer法(Mano ScanSierra Scientific社)で行った.【結果】全56例のうちアカラシア10例(17%)diffuse esophageal spasm(DES)7例(13%)Nutcracker esophagus(NC)5例(9%)Hypertensive LES(HLES)1例(2%)Nonspecfic esophageal m(》tor disorder(NEMD)17例(30%)正常16例(29%)であった.一次性食道運動障害のうちアカラシアでは9例(90%)DESでは5例(49%)において食道造影検査で異常がみられたがNCでは全例で食道造影検査では異常所見を認めず確定診断には食道内圧測定が不可欠であったNEMDでは全例LES機能は正常であったが食道体部の蠕動性の異常を認めるものが多かった【結語】嚥下障害NCCPを訴える患者の71%に何らかの食道運動異常が認められており食道運動疾患は決して稀な疾患群ではないと考える.器質的な疾患が除外された時には機能性疾患を疑う必要がある.食道造影検査は食道運動疾患のスクリーニングには簡便な検査であるがNC症例では食道造影で異常を示さないことが多く確定診断には積極的に食道内圧測定を行うべきである
索引用語