セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

006 食道内多チャンネルインピーダンス法とpH法併用法(MII-pH)とpH単独法による胃食道逆流回数の比較検討

演者 越野健司(島根大学医学部第二内科)
共同演者 足立経一(島根大学医学部第二内科), 森田照美(島根大学医学部第二内科), 谷村隆志(島根大学医学部第二内科), 三木雅治(島根大学医学部第二内科), 古田賢司(島根大学医学部第二内科), 木下芳一(島根大学医学部第二内科)
抄録 【背景・目的】最近胃食道逆流の正確な診断法として食道内多チャンネルインピーダンス法とpH併用法(MII-pH法)が行われている.本検討はMII-pH法にて胃食道酸逆流回数を検出した場合とpHの変化のみから胃食道酸逆流回数を検出した場合とでどの程度酸逆流回数に差がみられるかを明らかとすることを目的に検討を行った.【対象と方法】対象は健常男性ボランティア10名(35.6歳)で4時間以上の絶食ののちにSandh官社製MII-pH用カテーテルを挿入し1時間後に高カロリー食(総カロリー1211kcal蛋白44.5g脂質31g)を20分で摂取させ食後3時間まで測定を行った.インピーダンスの変化とpHの変化の両面から酸逆流を検出した場合とpH単独で酸逆流を検出した場合の酸逆流回数を比較検:窮した【結果】今回の検討対象とした10例全例において食後3時間の酸逆流と判定された回数の合計はMII-p且法では141回pH単独法では377回であった.これらの逆流のそれぞれについてMII-pH法とpH単独法とで一致するか否かを検討してみるとMII-p且法で検出された141回の酸逆流のうち131回(93%)はpH単独法で検出されていたが残り10回(7%)はpH単独法では検出されていなかった一方pH単独法で検出された377回の酸逆流のうちMll-pH法で検出された酸逆流に一致したのは35%のみであり残りの246回(65%)はMII-pH法では酸逆流と判定されないものを酸逆流としていた.【結語】酸逆流回数をpH単独でpH4未満となった回数でみた場合には実際の胃食道酸逆流回数より多くの回数を酸逆流として検出しておりp且モニタリング検査にて逆流回数を求める場合には注意を要すると考えられた.
索引用語