セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

007 食道内酸上昇パターンを含めた逆流性食道炎患者における過剰な食道内酸曝露のメカニズム

演者 川見典之(日本医科大学消化器内科)
共同演者 岩切勝彦(日本医科大学消化器内科), 佐野弘仁(日本医科大学消化器内科), 田中由理子(日本医科大学消化器内科), 琴寄誠(日本医科大学消化器内科), 星原芳雄(日本医科大学消化器内科), 坂本長逸(日本医科大学消化器内科)
抄録 【目的1逆流性食道炎(RE)は過剰な食道内鍵曝露により発症するが逆流後の酸上昇パターンを含めた過剰な食道内壕曝露のメカニズムは明らかでない.【方法】LA分類grade ABの軽症RE15例grade Cの重症RE14例健常者15例に対して一次蠕動波の評価を行った後食事摂取後3時間の食道内圧pH(LES口論2cm7cm)測定を座位の姿勢にて行った.【成績】健常者軽症RE患者の酸逆流(GER)のメカニズムのほとんどは一過性LES弛緩(TLESR)であった.重症RE患者ではTLESRに伴うGERに加え低しES圧によるGERもみられたLES掌側2cmでの総GER回数TLESRに伴うGER回数は引明に違いはなかった.各群のTLESRの発生頻度は同様であった.TLESR時のGERの合併率はLES口側2cmでは各群同様にみられたがLES口側7cmでは重症REになるに従いGERの合併率は有意に増加した.一次蠕動波の波高出現率は健常者軽症RE患者間に違いはなかったが重症RE患者の一次蠕動波の波高出現率は健常者軽症RE患者に比べ有意に低下していた.【結論1 LES一側2cmでの総GER回数は各群に違いはなかった.軽症RE患者では酸排出は健常者とほぼ同様であるが逆流した酸が健常者に比べ有意に口側へ上昇しやすいことにより食道内酸曝露時間は健常者に比べ延長を来す重症RE患者では逆流した酸は健常者軽症RE患者に比べ有意に口側へ上昇しやすくまた酸排出能は健常者軽症RE患者に比し遅延しているため食道内酸曝露時間は軽症RE患者よりも更に延長する.
索引用語