セッション情報 | 一般演題(口演) |
---|---|
タイトル | 010 実験ラット慢性胃液および慢性胃液・十二指腸液逆流型食道炎モデルにおける食道粘膜傷害に関する検討 |
演者 | 三木雅治(島根大学医学部内科学講座内科学第二) |
共同演者 | 足立経一(島根大学医学部内科学講座内科学第二), 森田照実(島根大学医学部内科学講座内科学第二), 谷村隆志(島根大学医学部内科学講座内科学第二), 越野健司(島根大学医学部内科学講座内科学第二), 古田賢司(島根大学医学部内科学講座内科学第二), MD Aziz(島根大学医学部内科学講座内科学第二), 木下芳一(島根大学医学部内科学講座内科学第二) |
抄録 | 【背景・目的】パレット食道患者では食道への高度の酸逆流に加えて胆汁の暴露が重要と考えられている.しかしながら逆流性食道炎患者に比して逆流症状が高頻度にみられる患者は少ないことが知られており食道への胆汁の暴露によって食道知覚が低下している可能性があるそこで本検討ではラット逆流性食道炎モデルを作成し酸逆流のみの場合と酸逆流に加えて胆汁逆流がみられる場合とで食道感受性神経の感受性に違いがあるか否かを明らかとすることを目的とした【方法】7週齢Wistar系オスラットを用いて麻酔下に開腹前胃を結紮し18Frのネラトンカテーテルにて幽門部に狭窄を作成した慢性胃液逆流型食道炎モデル(n=15)と十二指腸下行脚に狭窄を作成した慢性胃液・十二指腸液逆流型食道炎モデル(n=13)を作成した.胃液・十二指腸液逆流型モデルでは胃液中に総胆汁酸を認め胆汁を含む胃液が食道に逆流していると考えられた.3週間後に屠殺し食道を摘出し粘膜病変の有無を観察後直ちに縦方向に2難し半分をHE用検体とし食道胃接合部より10mm間隔で炎症の程度をスコア化し検討し残りは凍結保存し後日IL-1βCGRPサブスタンスPのELISA解析を行った.【結果】食道粘膜の潰瘍形成は胃液逆流型モデルにおいて胃液・十二指腸液逆流型モデルに比して有意に高度であった競炎症の程度およびIL-1βの発現には両逆流モデル間に差はみられなかった.サブスタンスPの発現は両逆流モデルで差はみられなかったがその発現は正常ラット(n冨4)に比して有意に低下しておりサブスタンスPの発現とIL-1βの発現には負の相関関係を認めた.なおCGRPは両逆流モデルおよび正常ラットで発現量に差はみられなかった.【結語】今回の検討では十二指腸液が食道感受性に影響しているかは明らかにできなかったが慢性の食道炎症が食道感受性に影響を与えている可能性が示唆された. |
索引用語 |