セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 012 ラット食道への酸曝露によるTRPV1を介した神経炎症 |
演者 | 鈴木隆裕(京都府立医科大学免疫内科学) |
共同演者 | 高木智久(京都府立医科大学生体安全医学), 半田修(京都府立医科大学生体安全医学), 古倉聡(京都府立医科大学生体安全医学), 市川寛(京都府立医科大学免疫内科学), 内藤裕二(京都府立医科大学生体機能分析医学), 吉田憲正(京都府立医科大学消化器内科学), 吉川敏一(京都府立医科大学免疫内科学) |
抄録 | 【目的】我々はnon-erosive GERD(NERD)患者の食道粘膜において酸や痛みの受容体であるTRPV1などの刺激により神経終末から放出されるニューロペプチドSubstance Pの発現が増加していることを報告してきた.今回ラットの食道に酸を直接暴露させるモデルを用いてびらん性病変を認めない時期での食道粘膜および後根神経節(DRG)におけるTRPV1およびSubstance Pの発現を検討した.【方法】Wistarラットに先端バルーン付きカテーテルを経口的に挿入しpH1の塩酸(塩酸暴露群)または生理食塩水(コントロール群)をカテーテルの側孔より食道内に注入し胃噴門直下でバルーンを拡張させることにより注入液を食道内に留まらせるようにした.塩酸注入10分前にTRPV1拮抗薬であるCapsazepine前投与群も作成した.注入10分後に薬剤を回収しバルーンを収縮3時間後に安楽死させ食道粘膜DRGを採取した.採取した食道粘膜よりmRNAおよびタンパクを抽出しSubstance P. TRPV1について定量的に検討した.また免疫染色にてTRPV1陽性神経についても検討した.【成績】客船ともに肉眼的に食道粘膜にはびらん性変化は認めずまたコントロール群に比し塩酸暴露群の食道粘膜DRGにおいてTRPVImRNA.タンパクの発現は有意に上昇していた塩酸暴露群の食道粘膜DRGのSubstance Pタンパクの発現も有意に上昇しておりさらにCapsazepine前投与によりSubstance Pタンパクの増加は著明に抑制された【結論】ラット食道粘膜への酸刺激のみで食道粘膜およびDRGのSub-stance PTRPV1の上昇を認めた.このことは酸逆流がTRPVI増加を介したサブスタンスP依存性の神経炎症/知覚過敏を惹起することを示唆している |
索引用語 |