セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
023 機能性ディスペプシアにおける飲水超音波検査を用いた治療指針
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演者 |
幡有(北海道大学大学院消化器内科学) |
共同演者 |
浅香正博(北海道大学大学院消化器内科学), 加藤元嗣(北海道大学病院光学医療診療部) |
抄録 |
機能性ディスペプシア(functional dyspepsia以下FD)の病態評価として飲水超音波検査を開発した.この飲水超音波検査は超音波法と飲水テストを同時に施行する検査で近位胃を中心に観察して適応性弛緩ならびに知覚排出能を同時に評価することが可能である.飲水超音波検査は低侵襲で検査時間が約20分と外来検査として応用可能である.飲水超音波検:査の方法は6時間以上の絶飲食で仰臥位を基本として同じ高さに設置したストローを用いて飲水を行う.飲水量は2分間毎に200m1とし800ml(検査開始8分後)に達した時点で終了とした.飲水が不可能と自己判断した場合には途中で終了とした2分間の飲水毎に胃窮隆部の断面積を測定し同時に腹部症状をVAS(visual analogscale)(O=無症状~10=上腹部症状(腹部膨満感や心窩部痛など)のため飲水が不能)にて評価する.飲水終了後(または申止後)はさらに5分後10分後に胃前庭部断面積の測定を行いその面積の変化率を測定する.正常値に関しては健常人の平均胃窮隆部断面積±2SDを胃適応弛緩健常人平均VAS値±2SDを知覚の正常範囲とそれぞれ設定した.飲水終了10分後の前壷隆部断面積の変化率に関しては100%を越えるものを排出遅延群とした.2006年8月~2007年8月まで当施設においてRomeHI基準にてFDと診断された患者群43名(Bla25名Blb16名その他2名))に施行した. FD患者で適応性弛緩障害胃排出遅延知覚異常が認められた症例はそれぞれ8例4例28例であり1.検査開始早期から自覚症状が出現しやすい傾向2.Blb群はBla群に比べて胃適応性弛緩の障害の頻度が高い傾向が認められた.この飲水超音波検査によってFD患者の病態を知覚障害適応性弛緩障害胃排出障害障害なしの4群に分けることができそれぞれの障害に対する薬物治療を第一選択としてFDの治療指針を構築することが可能と考えられた. |
索引用語 |
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