セッション情報 | 一般演題(口演) |
---|---|
タイトル | 025 食道癌におけるアダプター分子Shcの発現とTyr317のリン酸化状態 |
演者 | 宮健(香川大学医学部消化器・神経内科) |
共同演者 | 劉石(香川大学医学部消化器・神経内科), 谷丈二(香川大学医学部消化器・神経内科), 三好久昭(香川大学医学部消化器・神経内科), 小林三善(香川大学医学部消化器・神経内科), 井上秀幸(香川大学医学部消化器・神経内科), 杵川文彦(香川大学医学部消化器・神経内科), 正木勉(香川大学医学部消化器・神経内科) |
抄録 | 【目的】Shcは癌遺伝子Srcとホモロジーを持ちさまざまな刺激に応答しチロシンリン酸化を受けるアダプター分子の1つである.現在まで種々の癌細胞株においてShcのチロシンリン酸化が追撃していると報告されているが食道癌において詳細な報告はない.そこで食道癌におけるShcの発現とTyr317のリン酸化状態について解析した.【方法1 Shcの発現解析のために食道癌の細胞株(KYSE70KYSE30)さらに食道癌の術後組織の暗部非癌部3例を使用した.発現状態はtissue lysateを電気泳動しShcの特異的抗体を用いてWestern blot解析を行った.また317番目のチロシンリン酸化状態もShc特異的チロシンリン酸化抗体を用いて解析した.さらにShcの発現動態を免疫組織学的に検討した.【成績】Western blot解析から細胞株のKYSE70KYSE30においては3つのアイソフォームのうち46KD52KD66KDの全てのバンドを認めたが66K:DのShcの発現量は軽微であった.食道癌組織においては非癌部と比較し癌部においてより強く46KD52KD66KDのバンドは発現していた.このうち癌と非癌部において最も発現量に差異があったのは46KDと66KDのShcであった.一方Tyr317のチロシンリン酸化は癌部非癌部とも52KDのバンドだけに見られ発現量とは逆に非癌部において尤照していた.免疫組織学的検討においてもShcは正常粘膜細胞よりも癌細胞において増強していたが確かにTyr317のリン酸化Shcは癌細胞内で減少していた.【結論】食道癌発生過程においてShcのアイソフォームのうち46KD66KDの増強と52KDのShcの317番目のチロシンリン酸化の低下が関与していると考えられた |
索引用語 |