セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

029 当院における中・下咽頭表在癌の診断と治療

演者 松橋保(秋田大学消化器内科)
共同演者 神万里夫(秋田大学消化器内科), 稲葉良彦(秋田大学消化器内科), 大場麗奈(秋田大学消化器内科), 木下展克(秋田大学消化器内科), 小泉重仁(秋田大学消化器内科), 大西洋英(秋田大学消化器内科)
抄録 【目的】近年拡大内視鏡や狭帯域内視鏡(narrow band imaging=NBI)の開発によりこれまで発見できなかった中・下咽頭表在癌の内視鏡的診断・治療例が報告されるようになった.当院でもハイリスク症例の上部消化管内視鏡検査時には中・下咽頭の観察を行っておりその診断・治療成績を報告する.【方法】平成18年11月1日から平成19年10月31日までの1年間に当院で上部消化管内視鏡検査を施行されたハイリスク症例(頭頸部領域癌の既治療例食道癌例(既治療例も含む))199例(男性183例女性16例)平均年齢68.9歳を対象とし検:査時に中・下咽頭の観察を行った.必要に応じてNBI拡大内視鏡検査も施行した.【結果】6例の下咽頭癌が発見された.1例は下咽頭癌の化学放射線療法(CRT)後再発で耳鼻咽喉科で治療を受けた.1例は食道sm癌で紹介受診し下咽頭癌は0-1型であったが両病変ともCRTを受けた.2例は食道癌術後で1例は全身麻酔下に内視鏡的粘膜切除術(EMR-C)を1例は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行った.2例は食道癌内視鏡的治療後で1例は全身麻酔下にEMR-Cを1例はESDを行った.1例は食道癌で紹介受診し両病変とも全身麻酔下にESDを行った内視鏡的治療例は全て上皮内癌であった.咽頭痛以外には特に合併症を認めなかった.【結論】ハイリスク症例に対して内視鏡検査時に中・下咽頭の観察を行い199例中6例の下咽頭癌を発見し5例を内視鏡的に治療した.食道と異なり通常観察時にルゴール染色は行えないがNBI拡大内視鏡を使用した注意深い観察を続けていくことにより現在よりも多くの中・下咽頭表在癌の診断・治療が可能となるであろうと考えられた.
索引用語