セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
030 拡大内視鏡観察による表在食道癌の深達度診断
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演者 |
金子佳史(石川県立中央病院消化器内科) |
共同演者 |
林宜明(石川県立中央病院消化器内科), 山田真也(石川県立中央病院消化器内科), 土山寿志(石川県立中央病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】食道癌の内視鏡診断は「出来るだけ早期に発見すること深達度診断を的確に行うこと」が強く求められている.今回は表在食道癌の拡大内視鏡観察による深達度診断能を評価し問題点を明らかにする.【対象】2005年4月~2007年9月に表在食道癌と診断され扁平上皮乳頭内ループ状血管(以下IPCL)拡大観察を行った30症例39病変について検討した2006年8月遅りNBIを併用した. IPCLは井上らの分類によりtypeIV~Vlをdysplasia~cM1V2をcM 2V3をcM 3/SM 1type VnをcSM2以深と診断した.【結果】IPCL type IV:7病変V1:6病変V2:7病変V3:12病変Vn:7病変と診断した.この内14症例14病変に内視鏡治療11症例15病変に手術療法5症例10病変には放射線化学療法を施行した.病理学的検索が可能となった29病変中25病変は術前診断と同一であり正診率は86%であった.診断不一致は4例;14%であった.1病変は40mm超3/4周性の病変でV2:cM2と診断したが硬化を伴う境界明瞭な陥凹性病変であり肉眼的にcM3/SMIと診断し食道全摘術を行つがpM3であった.他のV2:cM2と診断した2病変は病理標本上はcM1であった.両病変とも粘膜下層にリンパ球を主体とした慢性炎症を伴っておりIPCLの変化を来した可能性が疑われた.残りの1病変は前歯で施行された生検痕周囲にV3が観察された.相対的適応としてESDが施行されたがpMl病変であった.【考察】IPCL観察による深達度診断は当院における従来のEUSによる垣内率(75%)と比し診断率の向上に寄与していると考えられる.サイズの大きな病変粘膜下層に慢性炎症を伴う病変生検の影響が残存する症例では深達度診断不一致例となる可能性が示唆された今後NBI併用拡大内視鏡検査は食道癌深達度診断において標準化される方法と考えられた. |
索引用語 |
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