| セッション情報 |
一般演題(口演)
|
| タイトル |
033 切除例からみた食道胃接合部癌(腺癌)の時代的変遷
|
| 演者 |
草野央(国立がんセンター中央病院内視鏡部) |
| 共同演者 |
後藤田卓志(国立がんセンター中央病院内視鏡部), 下田忠和(国立がんセンター中央病院臨床検査部病理) |
| 抄録 |
く目的〉近年本邦ではH.Pylor感染率の低下慢性胃炎による胃癌の質的変化また逆流性食道炎の増加によるBarrett食道(癌)の発生率の増加が予測される.そこで我々は当院における外科的ならびに内視鏡的治療がなされた全胃癌を対象にその時代的変遷から胃癌の質的変化中でも食道胃接合部癌について検討した.〈対象と方法>1962年6月~2005年12月に当院で外科的内視鏡的に切除された食道胃接合部癌胃癌計14801例(進行胃癌6253例)を対象とした.EGJを手術標本では胃切痕部内視鏡切除標本では下部食道縦走血管の下端とし食道胃接合部癌をEGJより胃食道側それぞれ5cm以内に中心をおくものとしSiewert type 2を真の食道胃接合部癌とした.〈結果〉食道胃接合部癌の治療件数は614例(進行癌521例)でSiewert type2は316例(進行癌246例)であった.胃癌治療件数における食道胃接合部癌の割合は(内視鏡治療の発達により早期胃癌の治療件数が著増しているということを考慮し対象を進行癌に限った)1960年代に4.0%であったのに対し2000年代で9.8%へと増加食道胃接合部癌のSiewert分類別の割合ではSiewert type2がそれぞれ33.3%から57.1%と増加していたのに対しSiewert typelは2.0%から1.4%と数少ないままであった.〈考察〉胃癌治療件数からみた食道胃接合部癌の割合は増加しておりSiwert分類別にみるとSiewert type2が増加していた.一方Siwert type1は各年代において数少なかった.近年欧米では食道胃接合部腺癌および食道腺癌の急激な増加が認められており今回の検討から本邦でも食道胃接合部癌の増加が予想される.一方Siwert type1はいまだ数少ない.この背景にはBarrett食道の頻度が関連していると考えられる. |
| 索引用語 |
|