セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

035 肝細胞癌におけるグリピカン3の分子生物学的解析~MMPsおよびWntシグナル分子との関連について~

演者 阿久津典之(札幌医科大学内科学第一講座)
共同演者 山本博幸(札幌医科大学内科学第一講座), 佐々木茂(札幌医科大学内科学第一講座), 今井浩三(札幌医科大学), 篠村恭久(札幌医科大学内科学第一講座)
抄録 【背景】近年細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンであるグリピカソ3(GPC3)が肝細胞癌で発現が充進していると報告されている、また肝癌患者の血清中にも発現が認められることより本来膜タンパクであるGPC3が血清にも分泌されていることが分かり腫瘍マーカーとしての有用性が報告されている.しかしGPC3が血清中で放出されるメカニズム分泌蛋白として腫瘍に及ぼす影響に関しての報告はなく今回我々はproteaseによるプロセシングやシグナル分子との関連に着目し特にMMPsWNTシグナル分子の関連について検討したので報告する.【目的】GPC3発現とmatrix metalloproteinase(MMP)あるいは他のproteaseおよびWntシグナル分子との関連を明らかにする.【方法1肝細胞癌細胞株および癌組織を対象にRT-PCRreal-ti皿eRT-PCR免疫組織染色にてGPC3MMPsWNTの発現を解析しその関連について検討した.ELISAにより血清中のGPC3を測定した.Zymographyによりprotease活性を解析した. siRNA導入細胞株でgrowth assayinvasion assayなど機能解析を行った.【結果】さまざまな肝細胞癌細胞株においてGPC3の過剰発現を認めた.また肝細胞癌患者組織におけるGPC3の過剰発現と血清中GPC3値の充進を認めた.種々の頻度でMMPsおよびWntシグナル分子の発現異常を検出しGPC3の過剰発現や臨床病理学的因子との関連を認めた.【結論】GPC3はMMPsおよびWntシグナル分子とともにヒト肝細胞癌の進展において重要な働きをしていることが示唆された.
索引用語