セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 045 当院における高齢者肝癌の診療経験 |
演者 | 釜本寛之(国際医療福祉大学三田病院消化器センター) |
共同演者 | 堀部俊哉(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 渡邊義敬(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 中田和智子(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 工藤幸正(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 加藤亜裕(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 山本夏代(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 加藤悠太郎(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 小山秀彦(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 杉浦芳章(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 森安史典(東京医科大学消化器内科), 北島政樹(国際医療福祉大学三田病院消化器センター) |
抄録 | 【目的】医療が日々進歩することによりますます高齢化社会が進み以前と比べ高齢者の肝癌に遭遇する機会が増えてきている.我々の施設では高齢者を区別した診療アルゴリズムは作らず原則として非高齢者と同じ基準で治療法を決定しているが診療を進める中で高齢者特有の問題が生じ治療法をアレンジすることもある.今回我々が経験した高齢者肝癌の診療について報告する。【対象】我々が当院に赴任した平成18年12月より平成19年10月までの問に当センターに受診した原発性肝癌症例は43例平均年齢は74.3才(49~94才)性別は男性20例女性23例.そのうち平成19年10月1日時点で75才以上であった症例は25例で平均年齢810才男性10例女性15例.背景肝は高齢者非高齢者の間に差は認めなかった.【結果】肝炎肝硬変食道静脈瘤を除いた並存疾患は高齢者の88個入認められ非高齢者の55.6%と比べ統計学的に有意に高かった.重複癌は高齢者に多く見られたが有意差は認めなかった.肝癌診療ガイドラインに基づいた推奨治療との合致率は高齢者が85%で非高齢者の813%と比較し同等であった.高齢者に対する内科的治療に伴う合併症はTACEやCTAP/CTHA術後の腎機能障害が目立ち血管造影検査後の安静が保てない症例が23.8%に見られた.また経過中(外来術前術中)に診療拒否(治療中止を含む)を訴える症例が高齢者では目立ち24%で拒否の姿勢が見られた.術後の肝機能に及ぼす影響には差が認められなかった.【結謝当院で経験した高齢者肝癌治療についてまとめると高齢者は身体的には腎機能障害に注意を払う必要があり精神的には潜在的な欝病認知症や独自の死生観が存在する可能性がある.この両面を理解しながら診療に当たるのがよいと思われた. |
索引用語 |