セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
046 当科における高齢者初発肝細胞癌症例の現状と課題
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演者 |
上田晃之(金沢大学附属病院消化器内科) |
共同演者 |
山下竜也(金沢大学附属病院消化器内科), 金子周一(金沢大学附属病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】第17回全国原発性肝癌追跡調査では肝細胞癌初発症例の診断平均年齢は666歳であり初発症例の高齢化を認めている.また約90%の症例の死因は肝疾患関連死でありたとえ高齢でも肝病変の制御が予後を改善しうると考えられる.当科では初発年齢に関わらず臨床病期・個数・肝障害度に沿って治療法を選択している.今回我々は当科における高齢者初発肝細胞癌例の現状を総括し今後の課題を明らかにする.【方法】対象は1995年から2007年9月までに当科で初発肝細胞癌と診断した493例(36-88歳)診断時70歳以上を高齢者(高齢群)80歳以上を超高齢者(超高齢群)と定義した.症例の内訳は高齢群177例(男性108例女性69例)超高齢群22例(男性10例女性12例)70歳未満の非高齢者は316例(非高齢群)であり温品間での比較検:討を行った.統計学的手法にはKaplan-Meier法Log-ranktestを用いた.【成績】超高齢群の臨床病期は15例H 9例m 7例IVB 1例であり治療法別ではPTA 16例TAE 3例化学療法2例BSC l例であった肝癌診療ガイドラインで根治的治療の適応であった18例申PS O-2の16例にPTAを実施しPS 3以上の2例に対してはTAEを実施していたまたStage皿のPS O-1症例に対して化学療法も実施していた.肝癌診療ガイドラインで根治的治療の対象であった高齢者群84例中65例(ガイドライン合致群)に根治的治療を実施しておりガイドライン合致群での無再発生存期間は中央値29.6ヶ月と非合致群の13.3ヶ月と比較し有意に延長していた(p=0.0001).また生存期間でも合致群で有意な延長を認めた(p=0.0011)ガイドライン合致症例間の比較では高齢晶群と非高齢者群の無再発生存期間(p=O.43)ならびに生存期間(p=O.54)に有意差を認めなかった.【結論】今回の高齢者初発肝細胞癌に対する検討でたとえ高齢であっても積極的に根治的治療を実施していくことが予後の改善につながるものと考えられた. |
索引用語 |
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