セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

047 高齢者肝細胞癌の治療法と予後

演者 木岡清英(大阪市立総合医療センター消化器内科)
共同演者 岡博子(大阪市立総合医療センター消化器内科), 田中敏宏(大阪市立総合医療センター消化器内科), 小谷晃平(大阪市立総合医療センター消化器内科), 松井佐織(大阪市立総合医療センター消化器内科), 會澤信弘(大阪市立総合医療センター消化器内科), 中井隆志(大阪市立総合医療センター消化器内科), 佐野弘治(大阪市立総合医療センター消化器内科), 上田渉(大阪市立総合医療センター消化器内科), 青木哲哉(大阪市立総合医療センター消化器内科), 川崎靖子(大阪市立総合医療センター消化器内科), 山崎修(大阪市立十三市民病院外科), 大川清孝(大阪市立総合医療センター消化器内科)
抄録 【目的】当院における肝細胞癌(HCC)治療のアルゴリズムは1994年の開院以来原則として年齢に関係なく切除可能なものは肝切除(HT)ただし腫瘍径3cm以下で腫瘍の周りにsafety marginを確保できる場合は経皮的局所治療(Abl)の適応としそれ以外に関しては可能な限り肝動脈塞栓術(TAE)を行うようにしてきた.今回この治療アルゴリズムに基づいた高齢者肝細胞癌の治療法と予後について検討した.【方法】1994年から2006年までに当院で初回治療を行ったHCC 1211例(年齢:22~91歳(平均665歳)男性845例・女性366例)を対象とした.これらを69歳以下の非高齢者(715例)70~79歳の高齢者(422例)80歳以上の超高齢者(74例)に分類しその治療法と予後を比較した.【成績】5年/10年生存率は非高齢者=40%/20%高齢者:41%/12%超高齢者:31%/10%であった.死因に占める他病死率は非高齢者:9%高齢者:13%超高齢者:24%であった.肝切除の施行率/5年生存率は非高齢者:37%/53%高齢者:34%/50%超高齢者:26%/33%で手術死は非高齢者:22%(6/268)高齢者=2.7%(4/150)超高齢者:5.3%(1/19)であった.一方Ab1単独の施行率/5年生存率は非高齢者:18%/51%高齢者:15%/55%超高齢者:21%/55%でTAE+Ablの施行率/5年生存率は非高齢者: 25%/30%高齢者:25%/28%超高齢者:22%/77回目あった.【結論】高齢になるに従い死因に占める他病死率は増加した.肝切除の施行率と5年生存率は超高齢者で低下した.一方経皮的局所治療を中心とした治療は超高齢者でも非高齢者と予後は同等であり超高齢者における有効な治療法と考えられた.
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