セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

050 粘膜内胃癌における粘液形質に基づいた細胞周期関連蛋白の異常と細胞増殖能の検討

演者 塚原光典(岩手医科大学内科学第一講座)
共同演者 菅井有(岩手医科大学臨床病理部門), 遠藤昌樹(岩手医科大学内科学第一講座), 小飯塚仁彦(岩手医科大学臨床病理部門), 久多良徳彦(岩手医科大学内科学第一講座), 千葉俊美(岩手医科大学内科学第一講座), 折居正之(岩手医科大学内科学第一講座), 鈴木一幸(岩手医科大学内科学第一講座)
抄録 【目的】粘液形質の観点から粘膜内胃癌の細胞周期関連蛋白の異常と細胞増殖能を検討した.【対象および方法】2005年11月から2007年5月までに岩手医科大学eS一一内科においてESD(Endoscopic submucosal dissection)により切除された粘膜内胃癌150例(男性:女性=101:49平均年齢71.0歳tubl:139tub2;ll)を対象とした.免疫染色は自動免疫染色装置(Envisionsystem)を使用した.粘液形質の判別にはMUC5ACHIK1083MUC6(以上胃型形質)MUC2とCD10(以上腸型形質)の各モノクローナル抗体を用いた.判定は前者陽性を胃型後者陽性を腸型とし双方が陽性の場合を混合型すべて陰性の場合を分類不能型とした.細胞周期関連蛋白についてはp53p21p27Rbcyclin D1cyclin Ecyclin A増殖能の判定にはKi-67を上述のごとく染色した.細胞周期関連蛋白の発現については周囲正常粘膜における発現との対比により行い過剰発現減弱に分類したKi-67染色についても周囲正常粘膜と対比して増殖能が高い例を高度増殖例とした.【結果】粘液形質の内訳は胃型17(11.7%)腸型70(46.3%)混合型61(40.7%)分類不能型2(13%)であった聖地癌においてはp53cyclinD1/E/A(いずれか2つ以上)の過剰発現例がそれぞれ41.2%29.4%にみられ油虫癌と比しその頻度が高かった(p<O.05).腸型癌においてはp27の過剰発現例が457%にみられ混合型癌に比しその頻度が高かった(p<0.05)、混合型においてはcyclin Aの過剰発現例が44.3%にみられ腸型癌に比しその頻度が高かった(p<O、05).またいずれの形質においてもp21の減弱例が30%前後に認められた.【結語】分化型胃癌の発癌において粘液形質に基づき細胞周期関連蛋白の異常が異なることが示唆された
索引用語