セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
051 漿膜浸潤胃癌におけるiNOS発現はVEGF発現とともに血管新生および樹状細胞浸潤に影響する
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演者 |
辻谷俊一(鳥取大学病態制御外科) |
共同演者 |
前田迪郎(鳥取大学病態制御外科), 池口正英(鳥取大学病態制御外科) |
抄録 |
[目的]一酸化窒素(NO)は癌の血管新生や免疫応答に関与し膀胱癌や大腸癌ではNO合成酵素であるiNosの発現が増強している.我々は胃癌局所の免疫能を反映する指標として癌組織への樹状細胞浸潤が予後と相関し新生血管密度が胃癌の血行性転移や不良な予後と相関することを示した.今回は胃癌におけるiNos発現が血管新生免疫反応に与える影響をVEGF発現との関連も加えて検討した[方法]漿膜浸潤胃癌にて胃切除を行った135例についてiNos発現p53発現VEGF発現新生血管(抗CD34抗体)および樹状細胞浸潤(抗sloo蛋白抗体)を免疫組織学的に評価した. iNosは腫瘍細胞の25%以上が発現している場合を陽性と判定した.[結果]iNos発現は106例(78.5%)に認めた.低分化型は高分化型に比較して高頻度にiNOS発現を認めたがその他の病理組織学的因子とは関連がなかった.iNos発現とp53発現には関連を認めなかったがiNos発現とvEGF発現には有意な正の相関を認めた.iNos発現は新生血管密度と正の相関を認め樹状細胞浸潤と負の相関を認めた.iNos発現群の予後はiNos非発現群に比べて有意に不良でありiNos発現は腫瘍径やリンパ節転移とともに独立した予後因子であった.iNOSとCEGFを同時発現する症例はいずれか一方または両者を発現しない症例に比べて有意に新生血管密度が高く樹状細胞浸潤が乏しく予後が不良であった。[結語]漿膜浸潤胃癌におけるiNOS発現は血管新生や樹状細胞浸潤を制御することにより胃癌の進展や予後に影響している可能性が示唆された. |
索引用語 |
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