セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 053 マクロ標本による印環細胞癌の範囲診断に関する検討 |
演者 | 水谷勝(東京都多摩がん検診センター消化器科) |
共同演者 | 入口陽介(東京都多摩がん検診センター消化器科), 小田丈二(東京都多摩がん検診センター消化器科), 大野康寛(東京都多摩がん検診センター消化器科), 高柳聡(東京都多摩がん検診センター消化器科), 冨野泰弘(東京都多摩がん検診センター消化器科), 岸大輔(東京都多摩がん検診センター消化器科), 篠原知明(東京都多摩がん検診センター消化器科), 大村秀俊(東京都多摩がん検診センター消化器科), 山田耕三(東京都多摩がん検診センター消化器科), 山村彰彦(東京都多摩がん検診センター検査科) |
抄録 | 【目的】術前範囲診断に役立てる目的で印環細胞癌の範囲診断率をマクロ標本を用いてretrospectiveに検討した【方法】過去8年間に当センターで手術あるいは内視鏡により切除された3cm以下の印環細胞癌のうち微小癌と分割切除例を除く43例46病変を対象とした.範囲診断はルーペに癌の範囲をプロットしマクロ標本写真(生・半固定・固定標本)と対応させ病変境界として肉眼的に認識可能か否かで判定したなお腸上皮化生の無い胃底腺領域にある病変をF群腸上皮化生を伴う幽門腺領域にある病変をP群とした.【成績】対象はM癌34病変SM癌10病変MP癌とSS癌がそれぞれ1病変であったまた背景粘膜別にみるとF群26病変(61%)P群10病変(23%)で残り7病変(16%)は両者の境界領域に存在していた.はじめに術前診断率はlcm以下の小胃癌で75%1cmを超える病変で97%全体で93%であった.術前に診断できず病理組織学的に発見された3病変は0-Hb型もしくはごく浅い0-Ilc型のM癌(F群2病変と境界領域1病変)でマクロ標本を見直しても全く指摘できなかった.次にマクロ標本による範囲診断率はlcm以下の小胃癌で50%1cmを超える病変で45%全体では46%にとどまっていた.背景粘膜別の範囲診断率はF群で42%P群で67%であった. F群の診断率が低い原因はその1/3に腺頚部のみを伸展するいわゆるO-Ilb成分を伴うためであり陥凹のみから成る病変に限ると63%の診断率となったP群では背景粘膜の萎縮の程度が強く表層近くまで癌が及んでいても模様の差として認識しにくいことが範囲診断に苦慮する原因の一つであると推測した.【結論】胃底腺領域の印環細胞癌の1/3は腺頚部への伸展を伴っておりこのような症例は現時点では範囲診断の限界に当たるものと考えられた範囲診断率向上のためにはごく浅い陥凹や模様の差を明らかにする方法の確立が必要と考えられた. |
索引用語 |