セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

054 早期胃癌外科切除例からみた未分化型腺癌混在に関する検討

演者 滝沢耕平(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科)
共同演者 小野裕之(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 蓮池典明(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 池原久朝(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 大竹陽介(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 松林宏行(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 山口裕一郎(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 坂東悦郎(静岡県立静岡がんセンター胃外科), 川村泰一(静岡県立静岡がんセンター胃外科), 草深公秀(静岡県立静岡がんセンター病理診断科)
抄録 【目的】ESDにより大きな病変が一括払除され詳細な病理組織の評価が可能になったことから同一腫瘍内での組織型の混在について問題提起がなされている.なかでも未分化型腺癌の混在については十分な根拠がないまま日常臨床では個々の施設個々の症例によって対応しており未分化混在の病理学的意義については十分目議論がなされていない.そこで早期胃癌外科切除例より分化型腺癌と未分化型腺癌混在症例について検討しその取り扱いについて考察した.【方法】当院にて2002年9月より2006年10月までの間にリンパ節郭清を伴う胃切除術が施行された早期胃癌508例を対象とし(1)分化型腺癌と未分化型腺癌の混在型と非混在型の臨床病理学的差異(2)リンパ節転移と臨床病理学的因子の関連性について検討した.【結果】(1)M癌において分譲優位混在型では純分腺型に比べて有意にtub2混在が多く腫瘍長径が大きく脈管侵襲陽性率が高かった.またリンパ節転移陽性率も高い傾向が認められた.(2)M癌のリンパ節転移関連因子としては1yあり女性ulありが統計学的に有意であったまた未腺優位混在型ではul+のうち3cm以下の症例で1例(12.5%)3cm以上の症例で2例(25%)にリンパ節転移が認められた.分腺優位混在型のM癌IyOvOの症例ではulの有無およびサイズに関わらずリンパ節転移は認められなかった(0/20).【結論】今回の対象群では分腺優位混在型のM癌lyOvO症例においてulの有無および大きさに関わらずリンパ節転移は認められなかったが症例数が少ないためさらなる症例集積が必要と考えられた.分腺優位混在型は純分腺型と比較して転移能が高い可能性が示唆されたことから今後もそれらの取り扱いについては慎重に行うべきと考えられた.
索引用語