セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 063 超高齢者における早期胃癌内視鏡治療の適応 |
演者 | 井上拓也(大阪府立成人病センター消化器内科) |
共同演者 | 竹内洋司(大阪府立成人病センター消化器内科), 飯石浩康(大阪府立成人病センター消化器内科), 川田奈都子(大阪府立成人病センター消化器内科), 木津崇(大阪府立成人病センター消化器内科), 三好里佳(大阪府立成人病センター消化器内科), 加藤元彦(大阪府立成人病センター消化器内科), 増田江利子(大阪府立成人病センター消化器内科), 辰巳功一(大阪府立成人病センター消化器内科), 東野晃治(大阪府立成人病センター消化器内科), 上堂文也(大阪府立成人病センター消化器内科), 石原立(大阪府立成人病センター消化器内科), 竜田正晴(大阪府立成人病センター消化器内科) |
抄録 | 【背景1高齢者社会の到来で高齢者に対する治療機会が増加しQOLの維持を重視した治療が期待されている.またESDの登場により早期胃癌に対する内視鏡治療の根治性が増し内視鏡治療適応の拡大も試みられている.QOLの維持と根治性が同時に期待できる内視鏡治療は広く普及しているが早期胃癌は比較的良好な自然経過をたどるため偶発症が発生した際のリスクが高い超高齢者においては治療の適応を慎重に検討するべきである。【目的】超高齢者の早期胃癌に対する内視鏡治療の現状と予後を明らかにし超高齢者の内視鏡治療の適応について検討する.【対象と方法】対象は当院でESD導入後2006年末までに根治目的の内視鏡治療を行った85歳以上の早期胃癌17症例20病巣(EMR4症例4病巣:ESD13症例16病巣).切除後病理診断により16病巣がガイドライン(GL)適応内もしくはGL適応拡大病変4病巣が適応外病変と判断された.全症例の予後が判明し長期予後について検討した.【成績】全体の3年生存率は79%(観察期間申央値(IQR):37(19-48)ヶ月)であり3例の他病死を認めたが胃癌関連死は認めなかった.死亡例は3例ともGL適応内・適応拡大症例でGL適応内・適応拡大症例とGL適応外症例の生存曲線に統計学的有意差は認めなかった(p=0.43).【結論】症例数が少なく観察期間も短いが根治目的の内視鏡治療を施行した超高齢者の長期予後は国立がんセンターの年齢別コホートテーブルと比較するとやや良好であった.しかし胃癌関連死が無く治療の根治性に関わらず生存曲線に有意差がなかったため全身状態が良好な症例に限って内視鏡治療が施行され治療が予後の延長には寄与していない可能性があると考えられた.今回の成績が超高齢者に対する内視鏡治療を否定すべき根拠となるものでは無いが超高齢者に対する治療方針決定の際の参考資料になりうるものと考える. |
索引用語 |