セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

066 胃腫瘍ESDにおけるクリニカルパスの現状

演者 石山修平(岡山済生会総合病院内科)
共同演者 塩出純二(岡山済生会総合病院内科), 吉岡正雄(岡山済生会総合病院内科), 大家昌源(岡山済生会総合病院内科), 藤原明子(岡山済生会総合病院内科), 伊藤守(岡山済生会総合病院内科)
抄録 【背景】胃腫揚内視鏡治療としてESDは多施設で導入され術後管理に関しての検討も進んでいる.胃腫瘍ESDは症例数も多いためクリニカルパス(CP)を導入することによりリスクマネジメントや効率化が期待される.当院では2006年1月から胃腫瘍ESDに対してCPを導入した. ESD治療後に入院し治療後よりPPIの静脈投与絶食補液.治療2日後に潰瘍底の観察し止血を確認した後に食事開始を決定栄養指導病理結果の説明を行った後治療後6日目の退院を原則としている.【対象と方法】出血傾向のある症例や複数の合併症のある症例以外はすべてCPの対象とした.今回2006年1月から2007年7月までにCPを適応した114例に対してバリアンスの発生頻度と内訳アウトカムとして食事開始時期入院期間について検討したさらにCPを適応しなかった症例についての見直しも行った.【結果】上記時期に施行したESD139例中114例82%にCPを適応した.CPからの逸脱は2例で術後の大量出血例と術後翌日に穿孔が確認された例であった.残りの112例はCPを完遂できた.食事開始は112例98%が3日目から開始可能であった.入院期間が延長されたのは12例11%であり社会的事情で退院できなかったものが8例高齢者にて離床が進まなかったものが4例で医療側因子が原因で退院が延期になったものは逸脱例以外には認めなかった.また早期退院となった正のバリアンスは14例12%であった.今回CPを適応しなかった25例のうち10例は実際にはCP適応可能であった.しかし透析例2例抗凝固療法を直前まで行っていた3例呼吸器合併症5例に関してはいずれも入院期問は7日以上でありCP適応は困難であった. CP導入後は内科専門病棟以外でのESD症例の受け入れも可能になり病院全体としての病床有効利用の一因になった.【結論】ESD治療に対してCPを適応することでチーム医療として均一な治療が可能になった.確実な止血を確認してから食事開始を決定することで医療側の因子でのバリアンス発生を抑えることができた.
索引用語