セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

068 当院における経皮内視鏡的胃瘻造設術の臨床的検討

演者 中畑孔克(四天王寺病院内科)
共同演者 平池豊(四天王寺病院内科), 萱澤正伸(四天王寺病院内科), 高田興(四天王寺病院内科), 藤戸努(四天王寺病院外科), 岸渕正典(四天王寺病院外科), 樋口和秀(大阪医科大学第2内科)
抄録 【目的]消化器内視鏡技術の向上に伴い高齢者に対して内視鏡処置を施行する機会が増えている.とりわけ経皮内視鏡的胃痕造設術(以下PEG)は高齢化社会を背景に今後も増加の一途をたどる事が予想されるが種々の合併症も報告されており注意を要する.今回当院で経験した新規PEG造設患者に対し臨床的特徴を検討する事によりPEG造設時の留意点につき考察した.【方法】2006年1月1日より2007年8月31日の期間に当院でPEGを造設した93例を対象とし検討した.【結果】年齢は39歳から100歳(平均83.35歳)性別は男性35例女性58例であった.適応は誤嚥と脳血管障害が大部分を占めていた造設方法は全例Pull法を用いPEGシステムは全てBoston Scientific社民のone-step buttonを使用した.胃切除後の症例はなくPEG tubeの留置は全ての症例で可能であった.造設直後及び4週以内の前期合併症に関しては重複例も含め胃粘膜裂創1例挿入部発赤1例挿入部出血2例皮:膚潰瘍1例自然脱落1例胃潰瘍1例誤嚥1例限局性腹膜炎1例の9例(8症例:8、6%)であった.特に重篤な合併症である限局性腹膜炎はPEG造設時にカテーテルが腹壁から逸脱した為に発生したものであるが内視鏡的にクリップ法を用いて胃壁の穿孔部分を縫縮すると供に新たに他部位から造設を行った後保存的加療にて軽快した.また造設4週以内の死亡は14例(15%)であったが原疾患の悪化によるものでありPEG直接関連死は認めなかった.なおPEG造設後早期に他院へ転入院をする症例が多く造設4週以降の後期合併症に関しては今回検討を行わなかった.【結論】PEGは基本的には安全に施行できる手技であるが重篤な合併症を引き起こす事がありさまざまな合併症に対する対処法を熟知しておくことが重要である.
索引用語