セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
071 高齢者の経皮内視鏡的胃瘻造設術における有害事象の発症予測因子に関する検討
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演者 |
横浜吏郎(旭川リハビリテーション病院消化器科) |
共同演者 |
浅間俊之(旭川リハビリテーション病院消化器科), 青島優(旭川リハビリテーション病院消化器科) |
抄録 |
【目的】経皮内視鏡的胃痩造設術(PEG)はGaudere等により1980年に初めて報告された術式であるが経腸栄養の手法として確立され現在多くの施設で行われている.安全な造設および運用のために様々な手技やデバイスが提供されてきたが今でもPEGに伴う偶発症の発生は少なくない.今回われわれは当院におけるPEG症例の有害事象を解析しその発症予測因子について検討した.【方法】1999年4月から2007年3月までに当院でPEGを施行した239症例のうち統計解析が可能な233症例を選択した発症予測因子の候補として34項目を設定し有害事象の有無を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.得られた各々の予測因子を背景にもつ症例をまとめ実際に発生した有害事象の特徴について検討した.【成績】症例の平均年齢は75歳と高齢化しており一般全身状態の低下低体重低栄養貧血の傾向を認めた233症例のうちPEGの造設運用に伴い有害事象の発生を56例(24.0%)に認めた.ロジスティック回帰分析の結果1)バルーン・ボタン型デバイスの使用t2)造設前日のCRP値3)造設前2ヵ月以内の偽膜性腸炎発症4)食道裂孔ヘルニアの存在5)麻痺性イレウスの既往が有害事象の発症予測因子とされたそれぞれの因子について発生した有害事象を検討したところバルーン・ボタン型デバイスを使用した症例ではバルーンによる幽門閉塞が有害事象の約4割を占めCRP高値例では感染症を多く認めた.また造設前に偽膜性腸炎を発症した症例では約50%に麻痺性イレウスの既往がある症例では約40%に造設後早期の再発を認めた.【結論】患者背景を解析することにより高齢者のPEGに関する有害事象の発症予測因子が判明した.その多くには特徴的な有害事象が存在し因果関係と発症機序を考察することにより予防法を考案する一助となる. |
索引用語 |
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