セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

073 本邦における胆汁細胞診の現状と問題点-日本臨床細胞学会胆汁細胞診班研究調査結果報告-

演者 有坂好史(大阪医科大学第2内科)
共同演者 広岡保明(鳥取大学医学部第1外科), 中泉明彦(大阪府立成人病センター消化器検診科), 岡輝明(公立学校共済組合関東中央病院病理科), 内藤嘉紀(久留米大学医学部病理学), 南口早智子(京都医療センター研究検査科), 羽場礼次(香川大学医学部付属病院病理部), 竹中明美(大阪府立成人病センター臨床検査科), 古旗淳(順天堂大学医学研究科細胞病理イメージング研究部門)
抄録 【目的】胆汁細胞診の検体取扱い・判定・結果報告・解釈には大きな施設問較差があり2005年12月より開始された日本臨床細胞学会胆汁細胞診班研究のなかで本邦における胆汁細胞診の現状を把握し問題点を明らかにするため調査が行われた.その結果を報告する.【方法】胆汁細胞診に携る日本細胞学会会員と日本胆道学会会員を中心にアンケート調査を行った.調査項目:1)協力者・協力施設2)使用用紙3)臨床情報4)検体取扱い5)判定結果報告様式6)判定不能例【結果】1)回答率60.4%(192/318)で内科医31%外科医7%病理医38%細胞検査士24%であり協力施設数は138(500床以上65%月間胆汁細胞診検査数5未満51%)であった.2)使用用紙は約90%が他の細胞診検体・擦過細胞診と同一であった.3)採取時期は急性期(胆道炎・黄疸)改善期のいずれにも行われ3回繰り返す施設が多かった(42%).4)造影剤の混入は48.4%が判定に影響ありと考えているが記載報告しているのは11%であった.添加剤(粘液溶解剤細胞培養液等)の使用は5.5%であった.採取から標本作製までは30分以内が多く過半数は室温保存であった.5)判定結果の報告様式は約2/3がclass分類1/3が(一±+)であった6)判定困難な場合標本作製不良や採取細胞数10個未満は検体適正欄を設けて扱い標本適正で良悪性の鑑別困難例は判定欄に記載すべきとの意見が多かった【結語】胆汁細胞診の診断精度向上のためにはこれらの標準化が必要である.
索引用語