セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 074 閉塞性黄疸と肝弾性値との検討 |
演者 | 八島陽子(東京大学消化器内科) |
共同演者 | 伊佐山浩通(東京大学消化器内科), 有住俊彦(東京大学消化器内科), 外川修(東京大学消化器内科), 松原三郎(東京大学消化器内科), 増崎亮太(東京大学消化器内科), 中井陽介(東京大学消化器内科), 建石良介(東京大学消化器内科), 平野賢二(東京大学消化器内科), 笹平直樹(東京大学消化器内科), 辻野武(東京大学消化器内科), 多田稔(東京大学消化器内科), 吉田晴彦(東京大学消化器内科), 川邉隆夫(東京大学光学医療診療部), 小俣政男(東京大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】Fibroscanにより極めて低侵襲に得られる肝弾性値(FS値)は慢性肝疾患において生検で得られる肝の線維化と相関することが知られている.胆道疾患でも長期の胆汁うっ滞による肝線維化とFS値が関係することが報告されている.しかし比較的短期の胆汁うっ滞から閉塞性黄疸を呈する症例においてのFS値についてはこれまでに報告がなく自験例で検討したので報告する.【方法】対象は2007年4月から10月に当科に入院した地引疾患患者で肝硬変合併患者を除いた129名.FS値を測定し測定時の状況から(1)非閉塞性黄疸(NC群)群81例(良性疾患54例+悪性疾患27例)(2)長期(1年以上)胆汁うっ滞群(LC群)12例(硬化性胆管炎9例+良性胆道狭窄3例)(3)閉塞性黄疸群(SC群)35例(良性疾患9例悪性疾患26例:LC群を除く)の3群に分類し解析した.SC群では閉塞の部位でも検討を加えた【結果】NC群のFS平均値は7.6Kpa(良性疾患7.IKpa悪性疾患8.4Kpa)であり良性疾患のFS値は正常例とほぼ同様であったが悪性胆疾患症例ではやや高い傾向であった.LC群のFS平均値は26.5K:paであり硬化性胆管炎23.9Kpa良性胆道狭窄M.3Kpaと高値であった. SC群のFS平均値は16.3Kpa(良性疾患14.3K:pa悪性17.OKpa)であったSC群の閉塞部位別検討では肝園部閉塞例(9例;22.7Kpa)が中下部胆管閉塞例(23例;14.IK:pa)よりも有意(p<0.05)に高値であった.またLC群SC群のFS値はいずれもNC群よりも有意(p<0.01)に高値であった【結語】長期胆汁うっ滞例では報告通りに高値となり肝線維化の進行を反映しているものと考えられた短期の胆汁うっ滞である閉塞性黄疸でもFS値は高値となることが判明したがドレナージによる改善の有無や部位による相違については今後の検討が必要である |
索引用語 |