セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
076 胆道疾患におけるMRCP撮像の新たな試み-デヒドロコール酸投与による描出能向上について-
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演者 |
酒井裕司(千葉大学腫瘍内科) |
共同演者 |
露口利夫(千葉大学腫瘍内科), 横須賀收(千葉大学腫瘍内科) |
抄録 |
【目的】近年MRCPの発達により胆道疾患の診断能が画期的に向上している.胆道付加手術後など内視鏡的アプローチが困難な症例などはMRCPによる胆道の情報は治療方針を決定するうえで非常に重要でありMRCPに求められる期待はより大きくなってきている.ただし微細病変は未だ直接造影に劣ると考えられている.膵臓領域に関してはセクレチン投与による描出能向上の報告が多数認められている.しかし胆道領域はMn-DPDP投与による描出能向上の報告はあるがT1強調画像での評価が主体であり十分なものではない.強力な水利胆剤としてデヒドロコール酸(DHCA)がある.我々はMRCP描出能向上のためDHCAを投与し描出能が向上するか比較検討を施行した.【方法】DHCAIOOOmgを静注し投与前投与後30分にSSTSE法Gy・roscan lntera(15T Philips)にてMRCPを撮像したRaw dataはworkstation(Vir-tual place advance AZE)を用い胆道領域の体積を計測した.【対象】男性16例女性14例計30例.年齢22~76歳(平均47.4歳)症例は先天性胆道拡張症術後8例胆管結石内視鏡治療後7例健常人7例肝内結石3例術後胆道狭窄2例tPSCl例胆嚢結石1例胆摘後症候群1例であった.【結果】30症例中26症例(867%)で描出能が向上し胆道結石吻合部の明瞭化を認めた.DHCA投与により末梢胆管の描出が可能となり直接造影と比較しても遜色のない画像を得ることが可能であった.また胆道領域のvolumeの有意な増大(p<O.OOOI)を認めた.しかし継目後でDHCA投与前から胆道領域に十分胆汁が満たされている2症例(6.7%)胆汁性肝硬変をきたしている1症例(33%)motion artifactにより鮮明な画像を得られなかった1症例(3.3%)は描出能の向上を認めなかった.【結論】内視鏡的アプローチが困難な術後症例でも明瞭な胆道像を得ることが可能でありMRCP撮影時D且CA投与により胆道領域の描出能が向上する可能性が示唆された肝硬変症例では描出能は向上せずPharmacologic MRCPの可能性も示唆された. |
索引用語 |
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