セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

079 Mirizzi症候群に対する急性期胆嚢・胆管ドレナージのcontroversial-内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ術(ENGBD)の有用性について-

演者 増田大介(大阪医科大学第2内科)
共同演者 有坂好史(大阪医科大学第2内科), 小倉健(大阪医科大学第2内科), 小嶋融一(大阪医科大学第2内科), 宮地克彦(大阪医科大学第2内科), 瀧井道明(大阪医科大学第2内科), 樋口和秀(大阪医科大学第2内科)
抄録 【目的】急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインにより急性胆嚢炎の治療方針が示された.しかしMirizzi症候群等の黄疸を伴う急性胆嚢炎では如何なる胆嚢ドレナージ法を行うか胆管ドレナージの併用は必要か等については未だcontroversialである.今回黄疸を伴う急性胆嚢炎(広義のMirizzi症候群)に対する急性期治療としての内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ術(ENGBD)の妥当性を評価した.【対象と方法】1995年より現在まで当科で経験した黄疸を伴う急性胆嚢炎15例(平均年齢61.3±2.2歳男女比11:4)を対象とした.初期の経皮経時胆嚢ドレナージ術(PTGBD)を主体としたPTGBD群5例と後期のENGBDを主体としたENGBD群10例に分けてretrospectiveに比較検討した. ENGBD群ではERCPに引き続いて胆管へ深部挿管しガイドワイヤーを用いて胆嚢内への挿管を試みたカニューレはオリンパス社PR-109QMTW社ERCPカテーテルを’ガイドワイヤーはTERUMO社Ra(ff(》cus guidewire MMicrovasive社jag wireTri-Med社Cheer Leader(いずれもQ.Q25inch)をENGBD tubeはCook社5Fr ENBD tubeを使用した.【結果11)検査前の白血球数総ビリルビン値は両群山に有意差を認めなかったt2)両群ともドレナージ後白血球数と総ビリルビン値はすみやかに低下した.3)初回からENBDを併用した症例はPTGBD群4例ENGBD群3例であった.4)初回にENBDの併用を行わなかったPTGBD群1例及びENGBD群7例中2例では黄疸の遷延や胆管炎の再燃のためENBDの追加を要した.【考察1 ENGBDは黄疸を伴う急性胆嚢炎に対して有用である.黄疸が遷延する場合はENBDの追加が必要であるが出血傾向を有する症例や悪性疾患の除外が必要な症例では第一選択のドレナージ法として試みられるべき手技と考えられた.また胆嚢内挿管に失敗してもENBDを留置しPTGBDなどに移行することができさらに適応拡大が期待できると思われた.
索引用語