セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 082 良性胆管狭窄治療を目的とした生体吸収性胆道ステントの開発 |
演者 | 宮澤光男(埼玉医科大学国際医療センター) |
共同演者 | 合川公康(埼玉医科大学国際医療センター), 利光靖子(埼玉医科大学国際医療センター), 岡田克也(埼玉医科大学国際医療センター), 大谷吉秀(埼玉医科大学国際医療センター), 小山勇(埼玉医科大学国際医療センター), 筏義人(奈良県立医科大学) |
抄録 | 良性胆管狭窄の治療には非手術的手法としてバルーン拡張チューブステント挿入があるが再狭窄が問題である.我々はこの問題点を解決するために一定期間胆管狭窄部を拡張させた後生体内で分解する生体吸収性胆道ステントを開発している.過去においてはポリ乳酸製の分解吸収までに時間を要するステントを検討したがこのステントの問題点としてはステントが脆弱となるまで3-6か月と時間がかかるためステント挿入後3か月の時点において胆汁栓が形成されてしまうことであった.そこで今回我々はポリグリコール酸製でステントが脆弱となるまで約3週間の生体吸収性ステントを開発し検討した.(対象と方法)雑種ブタ(10~30Kg)を全身麻酔下開腹肝外胆管を同定しフアーター乳頭部より約1cm肝側胆管を糸にて結紮.1週後再開腹し胆管結紮糸を解放した.十二指腸を切開し狭窄した胆管部分にファーター乳頭を確認しながらアトムチューブを支持としたポリグリコール酸製ステント(拡張時直径5mm)を挿入した.ステントの十二指腸側はフアーター乳頭より約5mm十二指腸側に出るように固定し十二指腸切開部を縫合閉鎖した.ステント挿入4か月後狭窄部を組織学的に検討した.(結果)すべてのブタはステント挿入後4か月まで生存した.4か月後ステントは狭窄部には存在せずまた狭窄部は他の部位の肝外胆管と差異は認められなかった.組織学的には狭窄部は良好な上皮再生がおこっており血液生化学的にもすべてのブタで胆道系酵素の上昇は認められなかった.(結語と考察)現在症例数を増加させているがこれまでの結果は期待できるものであった.このような生体吸収性ステントを良性胆管狭窄治療に利用可能と考えられた. |
索引用語 |