セッション情報 |
一般演題(口演)
|
タイトル |
084 超高齢者(80歳以上)の総胆管結石症例に対する治療戦略
|
演者 |
川口義明(東海大学消化器内科) |
共同演者 |
藤澤美亜(東海大学消化器内科), 大北一郎(東海大学消化器内科), 峯徹哉(東海大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】経乳頭的処置を行った総胆管結石症例の治療成績を非高齢者群(80歳未満)超高齢者群(80歳以上)に分けて結石の特徴内視鏡的治療の安全性有効性について比較検討しさらに治療困難例に対して施行している胆管ステント長期留置の成績に関しても検討した.【方法】対象は2003年6月から2007年9月までに経乳頭的処置を施行した総胆管結石384例であり平均年齢70.8歳(22~94歳)超高齢者は108例であった.患者背景治療成績偶発症について非高齢者群超高齢者群に分けて比較検討した.また患者側の要因(重篤な合併疾患重度痴呆などの精神疾患併存治療困難例等)にて胆管結石の治療が完遂できず胆管ステントを長期留置した13例(超高齢者は11例)の安全性有効性長期予後に関しても検討した.【結果]非高齢者群と超高齢者群の比較では前者で結石単発症例(53.8%)10mm未満の結石症例(746%)の頻度が高い傾向にあったが完全切石率は前者96.2%後者95、8%と同等であり治療内容別(ESTかEPBDか)の検討でも完全切石率の差はなかった.偶発症(早期)は前者102%後者10.8%と同等であったが術中の低酸素血症は超高齢者(27.0%)で有意に頻度が高かった(P<0.05).胆管ステントを長期留置した13症例のうち半年以内に胆管炎を再発し交換を要した症例は1症例他病死まで交換を要さなかった症例が2症例半年以上1回目交換せずに留置している症例が4症例(最長2年6ヶ月留置中)半年以上留置後に交換を要した症例が5症例転帰不明1例であった早期での胆管炎再発はなく迷入脱落もなく入院期間も短期間であった.【結論】非高齢者超高齢者間で完全切石率偶発症についての差はなく治療内容別の比較でも同等の成績であり胆管結石に対する内視鏡治療は超高齢者でも安全有用に施行可能であり積極的な施行が望まれる.また胆管ステント長期留置も安全有用な治療手段と考えられ超高齢者治療困難例に対して考慮すべき方法と考えられた. |
索引用語 |
|