セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

085 高齢者における総胆管結石治療の検討

演者 石垣賀子(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学)
共同演者 良沢昭銘(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学), 田場久美子(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学), 原野恵(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学), 岩本早耶香(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学), 岩野博俊(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学), 坂井田功(山口大学大学院医学研究科消化器病態内科学)
抄録 目的:総胆管結石の治療は内視鏡的戴石術が原則である.しかし高齢者は重篤な基礎疾患を有することが多く長時間の内視鏡処置や複数回の内視鏡処置が困難な症例も多い.我々は高齢者総胆管結石の特徴を非高齢者と比較検討するとともに高齢者に対する治療として内視鏡的膏石術と姑息的EBD留置とに分けて治療成績と入院期間などのQOLについて比較検討した.方法:1997年1月から2006年12月までの総胆管結石261例を対象とし高齢者群(75歳以上103人)と非高齢者群(74歳未満158人)に分け1)胆管結石の大きさと個数2)抗凝固剤内服の有無3)傍乳頭憩室の有無について比較した.また高齢者における治療法選択についてA群(姑息的にEBD留置のみ行った群14例)とB群(内視鏡的砂石術を施行した群89例)に分け1)治療回数2)在院日数3)再治療を要した率について比較し検討した.成績:高齢者群と非高齢者群の比較では1)平均結石径15.3m皿:105mm平均個数2.9個:22個と石の大きさ個数ともに高齢平群で多い傾向があった.2)抗凝固剤内服は8.7%=1.8%と高齢者群で多かった.3)傍乳頭憩室を有する率は33.0%:209%であり高齢者群で傍乳頭憩室を有する症例が多かった.高齢者群に対する治療法別治療回数は1)A群で1.1回B群で1.7回と後者でより多くの治療回数を要した2)入院期間はA群で平均8.8日B群で25.2日とA群で入院期間が短かった.3)再治療を要した率はA群で18%B群で15%と有意な差は得られなかった、結論=高齢者総胆管結石は結石が大きく個数も多くまた憩室を有することが多い.さらに抗凝固剤内服例も多く内視鏡的裁石術が困難な症例が多いことが示唆された.高齢者では姑息的にEBD留置のみ行った群において治療回数が少なく入院期間も短い傾向があり症例によっては患者のQOLを考慮した治療法となり得ることが示唆された
索引用語