セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
087 急性肝不全ラットに対するToll-like receptor 4アンタゴニストの肝炎抑制効果に関する検討
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演者 |
北澤利幸(奈良県立医科大学第三内科) |
共同演者 |
辻本達寛(奈良県立医科大学第三内科), 瓦谷英人(奈良県立医科大学第三内科), 福井博(奈良県立医科大学第三内科) |
抄録 |
【目的】マクロファージをはじめとする生体内の各種細胞表面にエンドトキシン(Et)のシグナルを伝達する機能的受容体としてToll-like receptor(TLR)4の存在が明らかになり臓器障害との関連が注目されている.ガラクトサミン(GalN)肝障害では高率にEt血症を認め肝障害の進展に内因性Etの関与が考えられておりこれまでわれわれはGa1N投与急性肝不全ラットにおける肝内のTNF-ct mRNAおよびTLR4 mRNAの発現レベルについて検討してきた.TLR4アンタゴニストであるE5564は重症敗血症の治療薬として開発が試みられている薬剤であるがわれわれはGalN投与急性肝不全ラットに対するE5564の肝炎抑制効果に関して検討した.【方法】体重200gのWistar系雄性ラットにGa1N(1g/kgb.w.)を腹腔内投与し急性肝不全ラットを作成しGalN腹腔内投与直後にE5564(3mg/kgb.w.)を静脈内投与した.24時間後に下大静脈から採血するとともに肝臓を採取し肝RNAを抽出してRT-PCR法にて肝内TNF一αmRNAの発現レベルをE5564非投与群と比較検討した.【結果】1)血清T.BilALT値はGa1N投与急性肝不全ラットでは血清ALTが著増しTBilも増加したがE5564投与群ではその増加は軽度にとどまりE5564非投与群との問に有意差が認められた2)血清TNF一α値はGalN投与急性肝不全ラットでは著増していたがE5564投与によりその増加は抑制された.3)E5564静脈内投与によりGalN投与急性肝不全ラットの肝内TNF-Ct mRNA発現は抑制された.【結論】GalN投与急性肝不全ラットに対してTLR4アンタゴニストであるE5564を投与することにより肝障害は軽減しTLR4アンタゴニストは肝炎の重症化や急性肝不全への進展を抑制する治療薬となりうることが示唆された. |
索引用語 |
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