セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

093 HBe抗体陽性HBVキャリアの予後予測因子の検討

演者 別宮壇(千葉大学医学部腫瘍内科)
共同演者 新井誠人(千葉大学医学部腫瘍内科), 今関文夫(千葉大学医学部腫瘍内科), 米満裕(千葉大学医学部腫瘍内科), 藤原慶一(千葉大学医学部腫瘍内科), 深井健一(千葉大学医学部腫瘍内科), 横須賀收(千葉大学医学部腫瘍内科)
抄録 【目的】HBe抗体陽性HBVキャリアは肝機能が正常であることが多く経過観察すらなされていないこともある.しかし経過中に肝障害を呈する例もあることからどのような症例を厳重に経過観察すべきかの目安が必要とされている.HBV-DNA量の測定方法としてPCR法が一般化し低ウイルス量まで測定が可能となり予後予測に役立つとの報告もみられる.今回HBe抗体陽性HBVキャリアの予後予測因子の探索を目的とした.【方法】HBV-DNA量をPCR法にて測定を開始した2002年6月以降に千葉大学医学部附属病院を受診したHBVキャリアのうち136例でHBe抗体が検:出された.その中から観察開始時にHBe抗体が陽性であった94人を解析対象とした.年齢性別ALT値血小板値HBV-DNA量とその後の肝機能の変化との関連をCoxの比例ハザードモデルで解析した.【結果】対象症例94例の平均年齢は49.2±15.8歳男性59例女性35例平均ALT値血小板値HBV-DNA量はそれぞれ46.1±64.OIU/L20.5±7.1万んL4.1±1.710gコピー/mL(2.6未満は2.57.6以上は7.7とした)であった.平均観察期間は5α5±12.6ヶ月.観察開始時にALT値異常例(29例)中16例は肝機i能が正常範囲内となったがその予測因子として女性高ALT値を認めた(p<α01).観察開始時にALT門門常例(65例)の中で19例はALT値が正常範囲以上となったがその予測因子として高ALT値を認めた(p〈0.01).【結論】HBe抗体陽性HBVキャリアではALT値が正常範囲内であってもより三値であることがその後のALT値の安定と関連することがわかった.逆にALT値が異常例では女性であることALT値がより高値であることが肝機能が正常化する可能性が高いことがわかった.
索引用語