セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

096 当科におけるB型急性肝炎の特徴と核酸アナログ治療に関する検討

演者 長谷川裕子(国立病院機構大阪医療センター消化器科)
共同演者 三田英治(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 葛下典由(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 大田真紀代(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 末吉由佳(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 藤田実(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 西出憲史(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 太田高志(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 林典子(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 森田香織(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 戸高明子(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 白畠伸宏(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 結城暢一(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 山本佳司(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 池田昌弘(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 加藤道夫(国立病院機構大阪医療センター消化器科)
抄録 【目的】B型急性肝炎の最近の動向を明らかにする.当科では「genotype A症例」や「重症化例でステロイド治療をする症例」に対してはキャリア化を考慮にいれ積極的に核酸アナログを導入している.今回は核酸アナログ導入症例の経過・キャリア化の有無もあわせて検討する【方法】2006年1月~2007年10月目B型急性肝炎で当科に入院した13症例の背景因子核酸アナログの介入とその経過を検討した.【結果】B型急性肝炎13門中男性10例女性3例:genotypeではAが5例(38%)Bが2例(15%)Cが6例(46%)であった.年齢分布は10歳代~50歳代と幅は広かったものの10歳代+20歳代の若年層が8例(62%)を占めうち半数の4例がgenotypeAであったgenotype A症例に対してはgenotypeが判明した後に全例エンテカビルを導入した発症から2ヶ月未満で現在経過観察中の2例を除いた残り3例全例においてHBs-Agは陰性化しHBV-DNAは感度未満に低下した. genotype A以外は原則経過観察とした.劇症化・重症化のリスクが高いと判断した2例に対しステロイド・インターフェロン・核酸アナログの3剤併用治療を行ったところ肝炎は鎮静化しHBs-Agは陰性化HBV-DNA量も感度未満に低下した. genotype A以外で経過観察した症例も全例HBs-Agは陰性化HBV-DNAは感度未満に低下した.【結論1(1)B型急性肝炎の水平感染による若年発症例が半数以上を占めそのうち50%がgenotype Aであった.(2)B型急性肝炎におけるgenotype Aの比率は38%と慢性肝炎例における報告に比べ高率であった(3)genotype Aに対して核酸アナログを導入した症例重症化例に対しステロイド治療と核酸アナログを併用した症例は全例HBs-Agが陰性HBV-DNAが感度未満となりキャリア化を防ぐことが可能であった.
索引用語