セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

098 圧負荷は細胞内活性化酸素種を誘導し膵星細胞を活性化する

演者 浅海洋(産業医科大学第三内科)
共同演者 渡邊史郎(産業医科大学第三内科), 田口雅史(産業医科大学第三内科), 大槻眞(産業医科大学第三内科)
抄録 【目的】慢性膵炎症例では正常膵と比較し膵組織圧が尤進ずる.膵線維化において活性化した膵星細胞(PSC)は中心的な役割を果たす我々はこれまで圧負荷が活性化PSCの細胞外基質(ECM)産生を増加させサイトカイン分泌を日進させる事を明らかにした.更にPSCの活性化機序に細胞内の酸化ストレスが関与する可能性を示した.今回圧負荷刺激におけるPSCの細胞内活性酸素種(ROS)について検討した.【方法】Wistar系雄性ラットよりPSCを分離し分離翌日の静止期にある細胞と培養により活性化した2-3代目の細胞を実験に用いた.コンピューター制御下にヘリウムガスにて細胞に圧負荷(80mmHg)を与えた.抗酸化物質としてN-acetyl cysteine(NAC)及びepiga皿ocatechin gallate(EGCG)を用いた.活性化PSC内のSOD活性をWST法にてROS産生を蛍光色素hydroxyphenyl fiuorescein(HPF)を用いてさらにp38 mitogen activated protein kinase(MAPK)と線維化関連マーカーの発現をWestern blot法にて検討した更に静止期PSCの圧負荷におけるPSC活性化及び細胞内Ros誘導における影響を綱胞形態及びHPFにて検討した.【結果1圧負荷によりPSCのSOD活性は低下し1時間後には負荷前の93%に達した.PSCにROSの誘導は圧負荷30秒後から確認され1時間後には対照群の3倍以上に達したが抗酸化物質により抑制された.p38 MAPKリン酸化は圧負荷2分後に頂門に達したがEGCGにより抑制された.圧負荷によって線維化マーカーの発現は有意に増強されたがEGCGによりいずれも抑制された.静止期PSCにおいて圧負荷によりROSの誘導が認められ抗酸化物質により抑制されたがp38 MAPK阻害剤では抑制されなかった.圧負荷により誘導されるPSCの活性化は抗酸化物質p38 MAPK阻害剤の双方で抑制された【結論】圧負荷を受けたPSCでは細胞内ROSがごく短時間で誘導されp38 MAPK:の上流にてPSCの活性化に重要な役割を果たす事が示唆された.また抗酸化物質が膵線維化の治療法として有用である可能性が示唆された
索引用語