セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
100 マウス慢性膵炎モデルにおける骨髄由来細胞の関与
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演者 |
渡辺崇(東北大大学院消化器病態学分野) |
共同演者 |
正宗淳(東北大大学院消化器病態学分野), 菊田和宏(東北大大学院消化器病態学分野), 下瀬川徹(東北大大学院消化器病態学分野) |
抄録 |
【目的】慢性膵炎などにみられる膵線維化形成には膵星細胞が重要な役割を果たす.α一smooth muscle actin(SMA)陽性の膵星細胞は主に膵腺房細胞や血管導管周囲に分布する静止期の細胞が活性化したものと考えられていた.一方最近骨髄由来細胞が様々な臓器の再生過程に関与していることが明らかになっている.今回セルレイン誘導マウスモデルを用いて慢性膵炎の膵線維化形成における骨髄由来細胞の関与について検討した.【方法】雌性C57BL/6マウス(7週齢)に骨髄致死放射線(7Gy)を照射したのちに雄性C57BL/6マウス(7週齢)から1x107個/匹の骨髄細胞を移植した.移植8週後よりセルレイン50pg/kgを1時間おきに1日6回腹腔内注射することを週に3回6週行い慢性膵炎モデルを作成したコントロール群には0.9%生理食塩水を投与した.セルレイン投与2週後に全てのマウスを屠殺し膵臓の摘出を行った.各群の標本に対しα一SMAv㎞entincollagen-1amyiasecytekeratin-19(CK19)およびvon Wille-brand Factor(vWF)の蛍光免疫染色を行った.ドナー骨髄由来細胞の同定はY染色体のFluorescence in situ hybridizationを用いて行った【成績】セルレインの反復投与により膵間質の浮腫と線維化が認められた.セルレイン投与群の膵問質においてY染色体とα一SMAのcolocalizationが認められた.α一SMA陽性細胞の約18%にcolocalizationが認められた.同様にvimentincollagen-1とY染色体とのcolocakzationが認められたがa皿ylaseCK19vWF陽性細胞とのcolocalizationは認められなかった.生理食塩水投与群ではドナー骨髄由来細胞は同定されなかった【結論】マウス慢性膵炎モデルにおいてα一SMA陽性細胞の一部は骨髄由来であり骨髄由来細胞が膵線維化形成に関わる可能性が示唆された. |
索引用語 |
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