セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

104 重症急性膵炎とメタボリック症候群の関連性

演者 北村勝哉(昭和大学第二内科)
共同演者 吉田仁(昭和大学第二内科), 本間直(せんぽ東京高輪病院内科), 山崎貴久(昭和大学第二内科), 湯川明浩(昭和大学第二内科), 池上覚俊(昭和大学第二内科), 田中滋城(昭和大学第二内科), 井廻道夫(昭和大学第二内科)
抄録 【目的】近年メタボリック症候群(MS)と消化器疾患の関連が注目されている.急性膵炎発症に肥満の関与が示唆されているが不明な点が多い。当施設の重症急性膵炎(SAP)における肥満度(BMI)およびMSとの関連を検討した.【方法12002年10月から2006年9月に当施設で診療した42例のSAPを対象とした.入院時のメタボリック因子(BMI腹囲血圧中性脂肪HDLコレステロール血糖TNFα)を測定しBMIMS膵炎重症度成因別に比較検討した.数値は中央(最小一最大)値で表した【結果】年齢56(21-84)歳男性32女性10例BM[23(16.6-45.6)kg/m2MS併発60%(18/30)腹囲88(74-128)cmでありMS診断基準の血圧高値を57%(24/42)脂質代謝異常を60%(24/40)糖代謝異常を88%(37/42)に認めた.BMI 25kg/m2未満の非肥満群(27例)と25kg/m2以上の肥満群(15例)の比較では腹囲(85v&9715cm)に有意差を認め(p<0.01)MS群(18例)と非MS群(12例)の比較においてもBMI(258 vs. 22kg/m2)と腹囲(9Q3 vs 83.5cm)に各々有意差を認めた(p<O.05)が厚生労働省急性膵炎重症二二虚血/壊死併発率臓器不全/感染症併発率在院日数に有意差を認めなかった.Stage 2群(23例)とstage 3-4群(19例)の比較ではメタボリック因子に有意差を認めなかった.成因別(アルコール16胆石/高脂血症7特発性17例)の検:討ではMS併発を各々64%(7/11)50%(3/6)73%(8/11)に認めた.胆石/高脂血症群はアルコール群と比較しBMI(26.8・vs.・22.1kg/m2)で有意な高値を認めた(p〈0.05).【結論】SAPとMSの関連が推定されたが肥満度およびMSとSAP重症度/合併症併発率に関連を認めなかった.肥満またはMSは胆石/高脂血症性膵炎や特発性膵炎との関連がある可能性が示唆された.
索引用語