セッション情報 | 一般演題(口演) |
---|---|
タイトル | 105 重症急性膵炎における血漿ADAMTS13活性と超高分子量VWFマルチマーの動態 |
演者 | 森岡千恵(奈良県立医科大学第三内科) |
共同演者 | 植村正人(奈良県立医科大学第三内科), 松山友美(奈良県立医科大学第三内科), 松本雅則(奈良県立医科大学輸血部), 加藤誠司(奈良県立医科大学輸血部), 石指宏通(奈良県立医科大学輸血部), 石川昌利(奈良県立医科大学第三内科), 辻本達寛(奈良県立医科大学第三内科), 藤本正男(奈良県立医科大学第三内科), 沢井正佳(奈良県立医科大学第三内科), 吉田太之(奈良県立医科大学第三内科), 美登路昭(奈良県立医科大学第三内科), 山尾純一(奈良県立医科大学第三内科), 瓜園泰之(奈良県立医科大学救急科), 畑倫明(奈良県立医科大学救急科), 西尾健治(奈良県立医科大学救急科), 奥地一夫(奈良県立医科大学救急科), 藤村吉博(奈良県立医科大学輸血部), 福井博(奈良県立医科大学第三内科) |
抄録 | 【目的1重:症急性膵炎(SAP)は高率に多臓器不全(MOF)を来たす予後不良な疾患であるが重症化の機序は未だ十分解明されていない.ADAMTS13は血管内皮細胞で産生された超高分子量 VWF multimer(UL-VWFM)を分解する本酵素活性低下時にはUL-VWFMが増加し血栓形成傾向が強くなり諸臓器の微少循環障害が惹起される.我々は既に血漿ADAMTS13活性の低下はSAPの重症度と密に関連することを指摘した.今回さらにVWF抗原UL-VWFMの動態を検討した.【方法】対象はSAPI3例(男/女=10/3年齢53±15才入院時APACHE-Hスコアー6±3生存/死亡=11/2)である. ADAMTS13活性VWF抗原はELISAUL-VWFMはアガロースゲル電気泳動にて測定した【成績】ADAMTS13活性は健常者100%に対しSAP生存例では入院第2病日に最低値(38%)に達した後徐々に回復した一方死亡例の2例は第1~2病日に10%~15%と著減した.VWF抗原は健常者100%に比し生存例では第1~2即日に最高値(402%)に達した後低下傾向を示したが死亡例では高値(369%~443%)を持続した.UL-VWFMは第1~2病日に7例に検出され死亡例2例では持続陽性を示したが生存例では回復するに従い陰性化した.この際MOF合併4畑中3例にUL-VWFMが検出された. UL-VWFM検出例は非検出例に比しADAMTSI3活性血清CaおよびBase excessは低値VWF/ADAMTS13比およびM-8は高値を示した【結論】SAP極期には血漿ADAMTS13活性は低下し血小板と最も反応性に富むUL-VWFMはMOF高度な低Ca血症acidosisおよび高サイトカイン血症合併例に高率に検出される.本酵素活性の低下とUL-VWFMの出現はSAPの重症度ならびに微小循環障害に伴うMOFに関与し予後の指標になる可能性がある. |
索引用語 |